Milkのメモ帳

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【ARMって何?】ARMをソフトバンクが買収?!【IoTの世界】


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目が飛び出るニュースが出ました。

ARMをソフトバンクが買収するという話が持ち上がっており、最終調整に入ってるのだとか。
(2016年7月20日追記:買収に合意がなされ、正式に発表されました。)

そもそもARMとは何ぞな?

このARMというのは、CPUを設計しているメーカーです。

敢えて、CPUを”生産している”と言うのではなく、”設計している”というのが大事なのです。

j-net21.smrj.go.jp

設計していることが大事

IntelとAMDというのが、パソコンのCPUの2大メーカーです。

彼らは自ら設計を行い、生産まで手がけます。

しかし、このARMという会社は設計しか行いません。そして、実際の生産はその設計に基づいて他の会社に渡すのです。

その際に、生産したい会社に対してライセンス料を請求します。

実際に生産するメーカーは、サムスンやシャープそして東芝、なんとAMDやフィリップス、そして任天堂と言った会社までいるのです。

これは、自前で生産ラインに投資する必要性はないと言うメリット。

そして、在庫が存在するというリスクを回避することが出来ます。

ARM系CPUの能力向上

実は、このARM系(ARMライセンスでの生産されたCPUを総称してこう呼ばせて下さい。)CPUは、組み込み系の機械に搭載されていました。

例えば、ニンテンドーDSや、PS Vita、携帯電話、自動車や家電、ipodなどなど・・・

皆さんの身の回りの物に搭載されているものは数多くあります。

ARM系CPUの特徴は、電力消費量が少ないということ。

これが大きなメリットでした。

ですから、バッテリーで動作する携帯端末(ゲーム機や携帯電話)等に搭載されていたのです。

しかし、デメリットもあったのです。

それは、IntelやAMDと言ったコンピュータに搭載するCPUに比べ、演算能力が低いという点です。

つまり、多くのことをマルチでこなすことは難しかったり、あまりに高度な演算が必要なプログラムを実行すると時間がかかるということです。

これがネックであり、ある意味ではIntelとAMD、そしてARMは分野の住み分けをしていたのです。


ただし、近年になってARMの演算能力が上がってきたことで、その境界線がなくなってきました。

先ずは、スマートフォンに採用されたことが大きかった。

スマホは爆発的に普及しました。

そして、ARM系CPUの演算能力が上がったことで、タブレットにも搭載されるようになったのです。

このため、Intelも最近になって、スマホに搭載出来るCPUの開発に力をいれ、なんとか消費電力を抑えて演算能力が高いCPUをリリース出来るようになりましたが、今でも主力となっているのはARM系CPUなのです。

IoTの世界

今回の買収は、ソフトバンクの通信事業との直接的な相乗効果は不明です。

何となく自分としては思うことはありますが、外れているかもしれません。

確実に言えることは、孫正義の興味がIoTの分野に向きつつあるということです。

土管屋

通信キャリアは、スマホが登場してからは自分たちの主導権を、AppleとGoogleに握られることになりました。

(それについては、以下の過去の記事を参照下さい。)
www.milkmemo.com

そして、通信だけで生きる土管屋と揶揄されるようになったのです。

自分の電話回線のことしか出来ず、スマホの開発や動向について口出し出来ない状態になりました。

IoTとは

IoTとは、「Internet of Things」の略です。

今、全てのSIerが目指している世界です。

特に社会インフラ系のSIerは躍起になっている事業分野になります。

これはどういう意味なのか。


IoTというのは、簡単に説明しますと、”全てのモノがインターネットに繋がる世界”ということです。

ですから、IoT自体には何か凄い意味があるという訳ではありません。

これのポイントは、電気で駆動するモノ全てがインターネットに接続することで、そのモノからデータを収集できるという点です。

収集した膨大なデータを解析することで、今まで人の感覚で行っていた作業が見える化できたり、無駄な部分を発見することが出来ます。

また、異常値を出す機械があれば直ぐに探知したり、データ傾向からみて故障予測を立てることが出来ると言った実現例もあります。

www.projectdesign.jp

例えば、GEは既に自社の航空機エンジン部品に沢山のセンサーを取り付け、それをモニタリングすることで、エンジンの状況を把握し故障予測を立て、効率的なエンジン修理や交換を行うということをしています。

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GEという会社を皆さんは知らないかもしれませんが、エジソンが設立した老舗の企業です。そして、多様な部門を持っており、「その分野の世界第1位になる。」ということが社訓でもあります。(そのため、その分野でのシェアが下がると部門ごと売却を行うという大胆な決断を行う会社でも有名です。しかし、本当にエリート中のエリートが集まる組織であるため、リストラが行われても社員からの不満はなく、直ぐに高待遇の転職先が見つかるのです。)

また、工場の生産ラインで動いているあらゆる機械にセンサーを取り付け、情報を収集することで、生産ラインの最適化を行うといったことも行われています。

一番身近な例で言えば、スマートメータがあります。あれは、電力計に情報発信機能をつけることで、電力会社がデータ収集することができ料金計算が出来るという、身近なIoTです。

IoTの覇権争い

このIoTの考え方やアーキテクチャ(IoTの仕組み)について現在、ドイツ政府が主導する「インダストリー4.0」と、GEが主導する「インダストリアル・インターネット」という陣営に分かれており、火花を散らしています。

そして、日本政府もこれに何とか割って入ろうと画策しているのです。

特に、社会インフラのシステムを手掛ける、日立や東芝、NEC、富士通といったSIerはGEに引き離されまいと死にものぐるいなのです。

GEは既に、Pledixというプラットフォームを開発し公開。

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これは大手SIerにとっては、頭を金槌で殴られたかの様な一発だったに違いありません。

PledixはIoTで肝となる情報収集や解析を行う共通プラットフォーム、つまりIoTのOSの役割を担うものです。

Pledixを導入することで、IoTで大事なデータ解析を直ぐに始める事ができますし、さらに機能を追加したい場合は、Pledix上で動くアプリケーションを開発することになります。

つまりは、Androidはスマホのあらゆるセンサーを制御し、情報取得を行っていますが、ソフト開発会社はAndroidが収集するデータを使って好きなアプリを開発するのと同じです。このAndroidに相当する部分を、GEはPledixとして開発したのです。

現段階では、Pledixも完全な状態ではなく発展途上なのですが、この共通プラットフォーム部分を1社に握られる恐怖は、大手SIerにとってAndroidのGoogleの再来に感じたでしょう。

彼らは携帯電話端末も手がけていましたが、規模縮小や売却を余儀なくされたり、OS部分に対して主導権を握られましたからね。

このIoTの覇権争いですが、AIの分野も関係してきます。

IoTの主導権を握る鍵は以下の点であると私は考えています。

  • 膨大なデータを処理出来る仕組み
  • 膨大なデータを解析する能力
膨大なデータを処理できる仕組み

先ず、「膨大なデータを処理出来る仕組み」は、マシンスペック的な話です。

今までとは桁違いな量のデータを吸い上げるため、それをどのように保管するかというデータセンターという問題。

そして、その膨大な量のデータを解析するわけですが、リアルタイムに監視を行う為には、それに合わせるほどの速度を持った高度なスペックのコンピュータが必要です。1つの高スペックなマシンに頼るというアプローチだけでなく、分散型にして並列して計算をさせるなどの方法もあります。

また、そもそもデータを吸い上げて保管を行う部分も高速な制御を行うための高スペックなハードウェアが必要であるという問題もあります。

膨大なデータを解析する能力

この「膨大なデータを解析する能力」とは、巨大なデータ群から、意味ある特徴を抽出することが出来るかという話です。

一昔前は、このデータ解析を行う分野をデータマイニングと呼んでいました。

また統計学を学んだ、データアナリストという人々がもてはやされ始めたのも、この頃です。

しかし、ここに新しい動きが出てきました。

それがAIです。

(AIについては、こちらの過去の記事をどうぞ。)
www.milkmemo.com

AIに対してデータを随時吸収させ、その特徴抽出を行わせることが出来れば、より正確な分析が可能かも知れません。

そのため、AIの開発競争が激化しているのです。


これらに対して、国内の大手SIerも動きは遅いながらも、なんとか追従しようと努力しています。

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ARM系CPUの役割は?

もう一度、ARM系CPUの話に戻しましょう。

これほどまでに、IoTの世界は覇権争いが激化し、食うか食われるかの闘争が行われています。

そして、ここでもう一人の主役がいるのです。

それは、IoTの”モノ”の部分です。

つまり、モノがインターネットにつながることでデータを収集できるわけですが、モノ自体がないと話になりません。

モノ(家電、スマホ、スマートメータ、ゲーム機、自動車、飛行機、電車・・・といったありとあらゆる物)がデータ送信する能力を持っていなければならないということです。

ということは、その膨大な数のモノがCPUのチップを積む時代が到来するのです。

電流が通るモノは全てCPUを搭載する時代が来るかも知れません。

ということは・・・そうです。IoTは、”モノ”の部分ではCPUの覇権争いが始まっているのです。

Intelもこれに気づき、IoT時代に対応できる省電力で能力が高いCPUの開発に勤しんでいます。

ARMは、元々が組み込み系で採用されてきた実績があるため、この分野では一歩先にいるわけです。


そして、ここに来てARMをソフトバンクが買収するという話が持ち上がりました。

今のところ、ソフトバンクがどのように絡んで来るのかは分かりません。

もしかすると、データ通信を行う回線としてソフトバンクを利用することを絡めてくるのかもしれませんし、全く別の分野での何かで(通信とはあまり関係のしないペッパーのように)彼自身の思うIoTの世界を到来させようとしているのかも知れません。

彼が何を目指しているのか。

少しこれは注意深く見守る必要があります。