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Milkのメモ帳

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

Milk's Memo Note

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満員電車ゼロを目指す! それは良いが対策が解決になってない。

日記 ビジネス IT関連 時事問題

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toyokeizai.net

「満員電車ゼロを目指す!」それが公約だったらしい。

その対策の内容について、小池百合子都知事のブレーンが熱く?語っていたが、はっきり言って残念です。

なんだそれって感じを受けました。

日本の電車

日本の電車運行の方法は、かなり特殊です。

その特殊さ故に、日本では当たり前の定時運行が可能になっています。

日本は速度制限を設けている

日本は先に、運行するために速度の設定を行います。

つまり、レールを走る上で、区間をごとに速度を定めているということです。

それ以上または、それ以下の速度で運行することは禁止です。

これがあるために、電車は駅間を何分間で走行することが出来るのかを正確に計算することが可能になるのです。

また、これを守らないと列車の脱線を引き起こします。

JR西日本がカーブを曲がりきれずに脱線し、マンションに列車ごと突っ込んだ事故は記憶に新しいと思います。

mainichi.jp

この事故以来、さらに速度制限が厳守されるようになりました。

海外での電車走行の考え方

海外の場合は、まったく違う概念です。

今度は、駅間を何分間で走行するという考え方です。

つまり、運転手が自由に速度を変更することが可能なのです。

ある意味では、この部分が自由であるがために脱線事故が発生しやすくなりますし、ムラがあることで定時運行が難しくなります。

運転手によって到着時刻が変わるからです。

遅れれば遅れるほど、それを巻き返すために速度を上げてしまう可能性があります。

日本の新幹線が事故がなく安全だと言われたり、電車の定時運行が実現されて凄い!と他国から驚かれるのは、こういった根本的な電車の運行方式が異なるからなのです。

遅延回復方法

日本の場合は、遅れても速度を上げて運行する行為は禁止です。ちゃんとそれでダイヤが乱れないようにする方法が存在します。

それが、折り返しの停車時間です。

列車は最後の駅に停車した後に、必ず数分間の停車時間を持っています。これは、乗客をゆっくり乗せるためではありません。

仮に列車が遅れた場合に、この折り返し駅での停車時間で遅れた時間を吸収させているのです。

海外でも同様なダイヤを引いてはいますが、運転手によって毎回速度が変わるために、遅延を吸収させても毎度運行が遅れるということが頻発します。

ITと社会インフラは密接に関連している

現在の鉄道運行は、運行計画を立てる部分、そして乗務員割当計画、また運行監視や信号制御、はたまた運賃計算等、ITが至る部分に介入し補佐しています。

一部でもシステムがダウンすると大変なことになります。

そのためにフェールセーフという考え方を導入しているのです。

フェールセーフとは

このフェールセーフという考え方は、何か異常が発生しても安全な方向に着地させるという考え方です。

社会インフラ系のシステムは絶対にこれを考慮して設計します。

何故なら、システム不具合が発生し、それが原因で長時間の営業停止ならまだしも、何かしら暴走(システムの制御不能状態)が始まって人命が失われるということになる可能性があるからです。

それは、不測の事態が発生した場合に、バックアップとして待機していた機能が一時的に肩代わりを行うというものだったり、機能を制限していきシステムが暴走するのを止めていく(IT用語では、プログラムまたはシステムを殺すと言ったりします。物騒ですけど、本気で息の根を止めないといけませんのでね。)という補助機能を設けていたりします。

また、社会インフラのお客様(社会インフラを提供している会社様)は、仮にシステムが停止した場合の手動運行についてもマニュアル化して備えています。

それほどまでに何重もセーフをかけているから、現在まで安全に社会インフラは生きているのです。

皆さんが知らないところで、システムが死んで、バックアップ系が立ち上がって応急処置をしているなんてことはありえます。(もちろん、これが発生することはSIerにとっては大事件ですので、それに移行しないための設計はしています。それでも、プログラムの抜け道がある場合があるのです。そのためにフェールセーフの機能は存在します。)

人間は間違う

無駄のように幾重にもセーフな設計をするのは、人間は間違う可能性があるからです。

人間に”絶対”というものはありません。ですから、最悪の最悪の最悪の・・・と幾パターンも考えて、必要最低限のシステムが維持できる、あるいは暴走だけはしないというように設計するのです。

また、人間が行う部分に関しても安全を第一を考慮して作業を行っています。

手順化しているのは意味があるから

人間は同時に何かをするということが苦手です。

注意力が散漫になり、片方がおろそかになるか、または両方共ダメになるかです。

また、これは人々によってレベルが異なります。

上で取り上げた記事の中で、「なぜ青信号と同時に出発しないのか?」とか「ドアが閉まると同時に出発」というワードが出てきます。

つまり、複数の動作を同時にすることで無駄を無くそうと主張しているのです。

これは、そもそもの考え方が異なります。

俗に、”指差し確認”などと呼ばれる、この動作を声を出しながら確認してひとつひとつ行う行為は、人間が行う動作は1つまでと制限をかけているからです。

何故かというと、先に述べたように、複数の動作を行うとミスが混入する確立が上がるためです。

同時に出来る人もいれば、出来ない人もいる。それではダメなんです。全員が出来る状態にならないといけません。

物事が順調に進めば、それは非効率的な行為に思えるかも知れません。しかし、これは過去にあった事故から獲得した経験から、きちっとルール化し品質を均一化するための対策なのです。

そもそもの話、これが無駄な行為であると言うならば、完全なオートメーション化が必要でしょう。

それがこの問題の根本的な解決方法です。

その部分に投資を行うべきなのです。人間を補佐する部分の機能に投資を行うことが必要です。

動作の簡略化は、また過去の事故を再発させるだけになります。

そして、言われるのです。「どうして過去の事故から何も学ばなかったのか?」と。

結論

この記事をtwitterで紹介していた方の言葉をお借りして言いますと。

この案はチープです。問題の根本的な解決になっていません。

なぜその行為が必要なのかについて言及していないからです。無駄に見える行為が、今の電車の安全な運行を守っているのです。

列車を二階建てにするとか、人の運行管理の手順を省略化するとか、安易にそれを行うなら事故が発生します。

二階建てにすることで重心が変わり、今の速度を維持することは可能ですか?検証する必要があります。

現在の人間の安全確認の行為を省略化することで、時間短縮を行うことは本当に重要ですか?それよりも、システムの高度化によって安全度を高める(人の介入がなくても済む)方が良いのでは?

そもそも、簡略化できるならしてます。何故なら、会社は従業員に給料を払うからです。

会社側からすれば、複数の作業を行ったり、作業を簡略化することで、人員の削減や時間短縮を行いたいはずなのです。

でも、敢えてそのことをしていない。それには、安全運行の観点から言って実施可能であるかが念頭にあるからです。


もっと根本的に、会社間の改札の統一化や、駅ターミナルの会社間共通化など、やってみるべきことは多いです。

こっちのほうが利便性が上がります。

そして、これは行政が主導で行わければ、なかなか鉄道会社間の垣根を超えることは難しいでしょう。

上京してきた人間からすれば、新宿駅を一度ぶち壊して欲しいぐらいです。

増築に増築を重ね、迷宮と化しています。そういう部分を改善して欲しいんです。

もし輸送能力が上がった場合は、さらに人が乗るだけです。

つまり、輸送先が集中することが問題なのです。

そうであれば、分散させるしかないでしょう。

記事の中で取り上げている解決策は、その場しのぎの案です。そんなものは鉄道会社に任せればいいのです。

そんなことよりも、なぜ現状、満員電車の状態が発生しているのか?について追求すべきです。