Milkのメモ帳

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「マクラーレン・ホンダ」は存続できるのか?


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https://f1-gate.com/honda/f1_37617.html

こんにちは。Milkです。
今回は、F1のお話。

その昔・・・マクラーレンというスポーツカーブランドと、ホンダというエンジンを研究する会社が共同開発した、F1用マシンは世界を統べる程の力を持った。

それは「伝説」となったが、今はもう過去の栄光と化した。

2015年に復活:新生「マクラーレン・ホンダ」誕生

この過去のマクラーレン・ホンダというF1チームは、私が生まれる前後ぐらいのときに初めて誕生したチームだ。

1988年にMP4/4というマシンで16戦中15勝(優勝)を果たす。

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ホンダはその後、数年してF1から撤退。その後も、何回かF1の場に顔を出すが、良い成績は残せなかった。

そして、遂に2015年。

マクラーレンと再度タッグを組むことにより、「伝説」の復活を誓ったのだった。

いつまでも「伝説」に近づけない

新生マクラーレン・ホンダは、最強のドライバーを用意した。

どちらともチャンピオン経験者。

そして、未だにチャンピオン候補に上がる実力者だ。

一人は、ジェンソン・バトン。もう一人は、フェルナンド・アロンソだ。

しかし、2015年は散々な結果に終わる。

エンジンにレース途中で問題が発生したり、そもそもの馬力が足りないなど、レースにならない状態だった。

アロンソは、「GP2!GP2!」と鈴鹿サーキットで叫んだ。

これには意味がある。

  • GP2という下位カテゴリーのエンジンの出力しかないと揶揄し、激怒している
  • HONDAのホームサーキットであり、HONDA経営陣が見ている中で、いかに酷い状況かアピールする

そのような意図があった。

2016年「サイズゼロ」のブラッシュアップ

2016年の目標は、2015年で設計思想として取り入れていた「サイズゼロ」というコンセプトのブラッシュアップだった。

つまり、PU(パワーユニット:エンジンに関する部位をまとめた総称)の大きさを小さくすることや、軽量化を目指した思想が「サイズゼロ」だった。

単純に、小さく軽い、そして馬力のあるPUになれば、風の抵抗を無駄に受けず、軽さによって速くなるという考えだ。

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https://f1-gate.com/alonso/f1_30909.html

これは、マクラーレンのシャシーの思想に併せる形で実現したPUだったが、あまりに小さく設計したので、放熱が出来なくなったり、電子制御系が弱いと言われているHONDAの弱点がどんどん露呈していったりした。

2015年から「サイズゼロ」はブラッシュアップされ、2016年は安定した走りが出来るようになったが、皆の心は2017年に移っていた。

なぜなら、2017年は「開発制限の廃止」が宣言されていたからだ。

2017年「真のHONDA PUが搭載される」

ここで、HONDAは「サイズゼロ」というコンセプトの廃止を明言する。

これは、様々な足かせがあり、これ以上の思うような改良が見込めないと考えたからだ。

そこで、ここ数年の覇者である「メルセデスAMG」と似たコンセプトを、新開発PUに持ち込んだ。

また、今までは一度設計を申請すると、大幅な設計変更の許可はレギュレーション(ルール)として認められていなかった。

これには思惑があったのだが、上手く機能しなかったので廃止となった。

だから、皆が期待した。

一から全てを再設計した、真の「HONDA PU」が見られると。

眠れる獅子

結果からお話しよう。

現在(2017年7月18日)のコンストラクターズランキングは最下位だ。

しかも、2ポイントしか取っていない。

今まで「MP4」という名前をマシンに付けるのが慣例だった。それは「伝説」を引き継ぐためであった。

しかし、今年は「MCL」という名前に変更された。過去との決別であり、伝説を自ら起こすための決意であったからだ。

MCL32が、新しく付けられた名前だ。

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https://f1-gate.com/mclaren/mcl32_34972.html

レースでは10位までにポイントが与えられる(入賞と言う)が、一度だけアロンソが入賞を果たした。

それもクラッシュが多発するという、上位陣がいなくなったパターンのレースだけだ。

そして、HONDAにとって悪いことは続く。

PUの性能が悪いながらも、なんとか擁護してくれていたマクラーレンを実質的には統括していたロン・デニスが解任され、最終的にはマクラーレンから完全にいなくなったのだ。

過去の伝説のマクラーレン・ホンダ時代を築いたときの人物である。

なかなか上位に浮上出来ないマクラーレンに対し、HONDAを説得してF1に連れ戻してきた人物だった。

後任にあたるザク・ブラウンは、「ワークスチームでなくても勝利できる。」と宣言している。

ワークスチームとは、PUを提供しているメーカーが保有するレーシングチームである。

マクラーレン・ホンダは少し特殊で、HONDAはマクラーレンだけにPUを提供することで、マクラーレン・ホンダをワークスチームとして扱っていた。

ザク・ブラウンが言いたいことは、絶対王者メルセデスや現在好調なフェラーリのPUを載せることで、それらのワークスチームに勝てると言いたいのだ。

だから、HONDAのPUに固執する必要がないと・・・

これには、フェルナンド・アロンソが関係してくる。

彼は、マクラーレン・ホンダが優勝候補になると予想し、フェラーリとの契約を途中で破棄して移籍してくれた。

しかし、実際には優勝どころか完走すら出来ない状態になっている。

彼との契約は2017年の今年で切れるのだ。

マクラーレンとしては、彼を絶対に手放したくない。だから、2018年は必ず優勝できるマシンを提供すると保証したいのだ。

HONDAの居場所は・・・

今のHONDAは厄介者扱いになっている。

「マクラーレン・ホンダ」がHONDAのワークスチームになる可能性が薄くなってきたのだ。

ザウバー・ホンダは実現するか?

一時期はザウバーというチームが来年にHONDAのPUを搭載したいと申し出た。

f1-gate.com

ザウバーは現在、フェラーリの昨年モデルのPUで闘っている。

資金的な問題もあり、最近までは潰れることさえ囁かれていた。

ここで大型のスポンサー(ロング・ボウ ファイナンス)が付いてくれることになったのだが、ザウバーのチームの方針に口出しをすることまでしてしまう。

モニシャ・カルテンボーンがザウバーを率いていたが、ザウバーの運営について意見の相違が起こり衝突。結局は辞任することになる。

モニシャ・カルテンボーンがHONDA PUを来年度に搭載する話を進めていたのだが・・・

これは振り出しに戻るのではないのか?と噂されている。

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マクラーレンは別のPUを探している?

優勝からは遠ざかっていたとはしても、少なくとも中団では闘っており、古豪のレーシングチームとしていつしか返り咲く時を待っていたのだ。

そこで、HONDA PU を搭載し、一発逆転を狙った。

今のところ、それは裏目に出ている。

マクラーレンは、この3年間で多くのスポンサーを失った。

また、HONDAは若手育成のためにF1の開発に研究者をあてがっている節があり、人材育成の側面が大きかった。

マクラーレンはそれに猛反発した。直ぐにでも優勝を果たさないと、スポンサーは二度と戻ってこない。

マクラーレンというF1チーム自体が破滅する可能性が出てくるのだ。

HONDAは、PU提供と資金的な援助をマクラーレン・ホンダに行っていた。

これにより、マクラーレン・ホンダは維持されてきたが、HONDAが気まぐれで撤退なんてことを起こしたら、マクラーレンは存続できなくなる。

だからこそ、マクラーレンとHONDAは勝つことへの貪欲さで差が出てきてしまったのだ。

HONDAは自分たちのやり方(技術者たちが育成され、最終的には優勝を果たす。)が望ましいと思っていたし、マクラーレンはそれを待ってくれると思っていた。

しかし、マクラーレンはロン・デニスを事実上追放。

そして、後任のザク・ブラウンは「優勝できるPUを搭載する。」ことを宣言した。

つまり、HONDAが優勝出来るPUを提供できないなら、来年度から別のPUメーカーに乗り換えると言ったのだ。

HONDAは、あまりに甘く見すぎていた。

F1はレースだけでなく、政治的な駆け引きが大きい世界だ。

別のチームからヘッドハンティングして技術者を奪取してくるのは当たり前。HONDAは生え抜きで対処しており、それにこだわったが、マクラーレンが激怒したことで遂に折れた。

しかし、既に遅かった。

f1-gate.com

彼らに来年は確約されていない。

HONDAの威厳はなくなった

HONDA製のPUを搭載することは、「勝利」を得るために取られる手段であった。

しかしながら、今では各チームが「お試しで使ってみて、良い結果が出ればラッキー。」と言うような、買い叩き状態になっている。

それはレッドブルの下位チームとして運営されている(若手育成を目的としたチーム)トロ・ロッソが搭載に手を上げたりと、最早HONDAブランドの威厳はない。

トロ・ロッソは中団を走るチームであり、兄弟チームのレッドブルを打ち倒す為に運営されているわけではない。

あくまで優勝を目指すのは、レッドブルだ。

その点からも、HONDAは優勝を望まれているのではないのだろう。

安くでPUが手に入るならそんないい話はない。何しろPUは数億円という莫大な購入資金が必要になるからだ。

誰も搭載してくれないなら、HONDAは生き残る手段として、PUの値下げを検討せざる負えないかもしれない。

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最後に

現時点で10戦が終了した。もう折り返しである。

HONDAは「スペック3」と呼ばれる、改良版PUを搭載し10戦目を闘った。

しかし、結果は惨敗。

入賞すら出来なかった。

今後、「スペック4」という最新版PUの提供を目指している。

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この「スペック4」は上位チームと遜色ない馬力を出せるとHONDAは自信を見せているが・・・

仮にこの「スペック4」で、入賞圏内にすら入れなかった場合、来年にはF1からHONDAの名前はなくなっているかもしれない。