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Milkのメモ帳

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

Milk's Memo Note

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

日本人の「お客様=神様」信仰は異常

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Photo credit: pepe50 via VisualHunt.com / CC BY-NC-SA

車掌の線路飛び降りのニュース話題ですね。

www.huffingtonpost.jp

詳しい経緯については、マスクド・ニシオカさんが記事にして下さっていました。

www.maskednishioka.com

ほうほう・・・そういう状況だったのか。

社会インフラ系システムに携わる身からすれば、この状況がいかに大変な状態だったかと言うことは想像がつくのです。

まぁ・・・車掌の対応は子供じみてますが、気持ち分からんでもないですよ。

”当たり前”は当たり前じゃない

日本のITシステムは、欧米に比べ遅れてるだなんだかんだと叩かれることは多いのですが、意外と堅牢で着実に動いています。

実は、日本の設計は本当に緻密に行われており、恐ろしいほどの「完璧さ」が求められているのです。

バグが1件でも出てしまうと、「このシステムはダメシステムだ!金の無駄だ!!上の奴を呼んでこい!!!」的な話になってしまいます。

これは、幾つかの原因が考えられます。

  • ソフトウェアをハードウェアと同列に扱っている
  • ソフトウェアのバグは完全になくなると信じている
  • そもそも経営陣にITに対する知識、あるいは興味が希薄

一番の原因は、「ハードウェアと同列に扱っている」という部分でしょう。

ソフトウェアはハードウェアと異なります。それは、プログラムのアップデートが可能であるということ。

また、ハードウェアと違い劣化しないことなどなどです。

つまり、ハードウェアを生産する過程と、ソフトウェアを生産する過程は同列に考えるべきではないのですが、過去の物質の生産工程はウォーターフォールモデルを踏襲することが「王道」であるために、同じものとして考えられるようになりました。

itpro.nikkeibp.co.jp

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/lecture/20061130/255501/zu01.jpg

バグが入り込んでしまう要因は様々あります。専門ではないのでハードウェアの生産工程の詳細部分は分かりませんが、ハードウェアの場合は設計時点でのバグが製品のバグに直結するでしょう。

しかしながら、ソフトウェアのバグ混入レベルは、ウォーターフォールモデルの中ではあらゆるフェーズに入り込む余地があるため、バグの発生確率は上がると個人的には思っています。

ですから、今ではアジャイル開発と言って、小さな機能を作りそれが着実に動作して、機能を拡張しながら開発を行うという、設計とコーディングとテストをグルグル回しながら開発するというスタイルが理想とされ始めてきました。

まぁ・・・ここらへんの話は、ソフトウェア開発の話になってしまうので、また別の機会にしましょう。

私が言いたかったことは、”当たり前”に機能が動いていると、人間はそれが普通になってしまうということです。

これはソフトウェアに限った話ではありません。

今回の列車の件もそうでしょう。

以前も、ちょっと書いたのですが、日本の列車運行システムは海外の列車運行システムに比べ、圧倒的に正確です。

www.milkmemo.com

それは、運行システムの考え方自体が異なるからです。

日本の列車は定刻通りに運行することを目指しました。そして、それをハードウェアとソフトウェアの力、そして、社員の方々の緻密なスケジュール管理により実現させたのです。

海外ではあり得ない形態です。

問題なのは、この状況を実現させたのは良いが、”お客様”がそれが”当たり前”と考えるようになったことです。

定時運行は多くの努力の結果、実現可能となりました。

例えば、バスの運行は時間が前後しても大して怒りません。(いや、まぁ怒るけど・・・しゃーない的な感じ?)

高品質なサービスが提供されればされるほど、人は最初は喜ぶのですが、それに対して当たり前だと感じるようになるのです。

日本人の「お客様=神様」信仰

この当たり前だと感じる状態。そして、その”当たり前”が通常に動作しないことに対し、サービス提供者にクレームを堂々と入れる。

これは、日本人の異常な「お客様=神様」信仰の結果の様に思えるのです。

一体誰がこれを言い出したのか分からんですが、お客様は神様じゃないです。はっきり言って。

確かに上位の存在であることは確実だとは思いますよ?

しかしながら、サービスを提供する側は、お客様に対して全ての要求をのむ必要性はないと思います。

何故なら、互いに人間なんだもの。

人としてやって良い、言って良いの限度があります。これを超えた場合に、その相手をお客様と定義する必要性はないと思うのです。

今回の列車運行に関しても同様でしょう。だって、この車掌が人身事故起こして遅延を発生させたわけじゃないでしょ。

それを因果関係のない車掌に言いがかりつけても、列車は速くなりません。

それが嫌なら、もうちょい早めに列車に乗って下さい。それがリスク管理というものです。

少しソフトウェアの話で行くと、バグが発生してそれを修正した場合に日本と海外ではお客様の対応が異なります。

日本のお客様の場合は、「なぜバグが発生したのかの原因を追求し、今後それが発生しないようにどのような対策を施し、そして責任は誰が取るのか。それを明確にし、文章にして改善案を至急提出せよ。」となります。

海外のお客様の場合は、「OK!バグが直ったんだね。Thank you!!良い仕事をしてくれた。次も頼むよ!」で終了です。

お客様も一緒に開発をしているという一体感が違います。

あ・・・ただし、海外は契約内容にはうるさいですよ?契約内容の不履行と判断されると賠償金ふんだくられます(笑)

海外のお客様への考え方

海外勤務を行ったことがないので、聞いた話し程度でしか話せませんが、やはり海外のサービス提供は日本の品質とは異なるようです。

何でもいたれりつくせりの日本とは違い、海外ではお客様というよりかは、サービスを受けに来た人ぐらいの認識でしょう。

まぁ・・・それぐらいの距離感なのです。

日本人は、「神様」扱いされるのに慣れすぎていますから、理不尽に思うことは多いでしょうけど。

かなり衝撃的だったのは、海外案件担当の上司から聞いた話でした。

その上司は、とある海外ベンダーとの共同開発をやっている時期がありました。こっちも出来るだけ様々なリスクを回避するために、日本と海外を中継してくれる海外コンサルタントをチームに迎えたのだそうです。

彼らのおかげで、勝手にこちら側の責任にされそうな部分を、しっかりコンサルが押し返してくれたらしく、とても助かったと言っていました。

その上司が、そのコンサルに対しお酒の席で、「どうやったら、お客様といい関係が築けると思う?」と尋ねたそうです。

すると、そのコンサルは、「Customer is foolish!!」と笑いながら答えたのだとか。

まぁつまりのとこ、お客様!お客様!って変に崇める必要はないよって事でしょう。俺達はITの専門家なんだ。だから自分たちの思うことをしっかりと自信を持って伝えればいい。ただそれだけだ。という意味でしょう。(コンサルなんで、ありのままの意味も含んでそうで怖いですけどww)

この話を聞いた時に、その上司はなんだか納得したそうな。

私も、その上司からその話を聞かされて、自分は専門家なのだから自信を持って話をしよう。その為には、日々知識を習得し続けなければ!と思いました。

最後に

さて、この近鉄の事件はどういう結末になるんでしょうか?

まぁ・・・車掌さんのその駄々っ子プレイは、少々いただけませんが・・・

でも、ある意味では自分の仕事に誇りを持って開き直ることも大事です。

お客様を第一に、そして快適なサービスを提供する。それが仕事の使命ですが、それと同時に自分の仕事に対し誇りを持って生活する。

これも私達にとって大事な心の支えなのだと思うのです。