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Milkのメモ帳

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

Milk's Memo Note

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

少女は何を思っていたのだろうか・・・

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こんにちは!Milkです。
バスに乗っていた時、ふと昔を思い出すことがありました。

私が大学生の頃に、塾講師のアルバイトをしていたことは過去にいくつか記事を書きました。

www.milkmemo.com

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最近、出かけることが多くてバスに乗っていたのですが、塾に通っていた中学生と遊んでいた中学生が合流した現場に出くわしたのです。

お前、そんなのも知らないのかよ!

いつもなら、私はイライラしてしまうのですが、最近は「まぁ、そういう人もいるし、そういうこともあるさ」って思うようにしています。

何に?ってことなんですけど、その中学生の集団の話があまりにアホすぎて付いていけないのです(笑)

笑って、心の中で消化してあげることにしました。

中学生A「あいつ、灘とか開成を受けるらしいぜ。」

中学生B「そうなのかよ!ラサールはどうしたんだよ?」

中学生C「なんか、分からないけど志望を変えたって。」

ここで、ちょっとヤンキーに憧れてる感のある、中学生Dと中学生Eがいました。

中学生A「灘とか開成なら、その後は、旧帝大に行くんだろうな・・・」

中学生Dきゅうていだいってなんだよ。おい。」

中学生A「お前、そんなのも知らないのかよ!」

(お前、そんなのも知らないのかよ!)

私の心の声は、完全に中学生Aとシンクロしていた・・・( ˘ω˘)

中学生B「旧帝大ってのはな、東大とか京大とか、東北大とか九大とかだよ。」

中学生E「なにそれ。新幹線の駅の名前?

そんな駅名、聞いたこたねーよ!!

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このヤンキーに憧れてるっぽい子たちが心配になってきました。

この子たちは、どうやって生きていくのかなぁ・・・まぁ、人生なんて楽しく生きられれば、それでOKなんですけどね。

それと同時に、ふと昔のことを思い出しました。中学3年生のとっても可愛い娘で、私に懐いてくれていた生徒のことです。

問題のある中学3年生

その娘は、中学3年生の5月頃に入ってきました。

私は、塾講師の2年目に突入し、塾内である程度の地位というか存在感を確立した頃でした。

この娘の名前を、「里奈」としましょう。

私は、生徒と教師の間には一線があるというポリシーを貫いていたので、「里奈さん」と呼んでいました。

最初に会ったのは、里奈とお母様が塾に入会する手続きを行っている時でした。

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その時の印象は、「ぽわ〜ん、とした娘だなぁ。」という印象です。

そのお母様に何か強烈な印象はありませんでしたね。普通の家庭のように思えました。

徐々に学力が分かってくる

里奈は授業を選択して受講していたようです。つまり、数学と国語と英語という最小パッケージの受講というコースです。

なので、私は里奈と接点がありませんでした。私の専門は理科だったためです。

では、他の子たちが理科や社会を受けている時、どうしているか?

里奈は自習を行っていました。

しかし、どうも様子がおかしいのです。

里奈は普通ではないということが時間が経つごとに分かってきました。

ある日のこと、塾長から「Milk君。里奈さんの自習を助けてあげてくれないか?」と言われました。

自習を助ける?

その時点で、違和感はありましたけど、さらに違和感を加速させたのは渡された教科書でした。

それは・・・小学五年生の算数。

2度見どころか、3度見しましたよ。

どう考えても間違ってるでしょ?って。

塾長!これ、小学生の算数ですよ? 教材、間違ってます。

塾長「いや。合ってるよ。里奈さんは、今、小学生のところから順に頑張ってるんだ。」

うん? どういうことだ?

中学3年生だよ?

分数ってなぁに?

全然、状況が掴めないまま、里奈のいる自習室へ向かいました。

こんばんは。里奈さん。
私は、Milkって言います。専門は理科と数学です。
難しいことが何かあったら、何でも聞いていいからね。

里奈「こ・・・こんばんは。里奈です。よろしくお願いします。」

少し緊張しているみたいですが、普通に会話は成立します。

里奈さんは、今、どんな問題を解いているのかな?

里奈「あの・・・これなんです。」

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里奈は、コピーされた教材を見せてくれました。

私は、失神しそうになりました。彼女が持っているのは、「分数の足し算」のプリント。

しかも、回答を見ると、1問も合っていません・・・

里奈「えっと。◯◯先生(塾長)から、これを解きなさいって言われて・・・」

(落ち着け。ここで動揺したら、この娘が可愛そうだ。一生懸命にやっているのだから。)
そうか。どう? 解けそう? 難しい?

里奈「うーんと・・・難しい!(。>﹏<。)」

可愛い娘でしたよ。笑うとさらに可愛さが増しました。人懐っこい性格で、どの先生に対してもだとは思いますが、私に対しても直ぐに打ち解けてくれました。

里奈さん。ちょっと今の解いてるのを見せてもらえるかな?

里奈「はい。どうぞ。」

1/3 + 1/3 = 2/6

どうしよう・・・これは重症だ。小学生ならまだしも、高校受験を迎える学年だぞ?

里奈さん。分数の計算は苦手かな?

里奈「うん・・・ちょっと、よく分かんない。」

そうかぁ。じゃぁね。先生が、とっておきの必殺技を教えてあげよう!

里奈「なになに?!」

必殺技と言いながら、それは単純な分数における四則演算です。
(つまり、当たり前のこと。)

でも、里奈はそれが初めて習ったかのような顔をして、「え〜!そうなの? そうするの?」と聞いていました。

そして、45分ぐらいマンツーマンでレッスンを行ったのです。

このレッスンはこの後、継続的に受け持ちました。少々、ショックだったのは次のレッスン時には、「3歩、歩いて、2.5歩ぐらい戻っている」状態であることです。

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でも、根気強く、

これはどうやって計算するんだったかな〜?

里奈「こう?」

違うなぁ〜。ヒントが欲しい?

里奈「欲しい!」

これを・・・こうして・・・次は?

里奈「あぁ! 思い出した! こうでしょ?!」

ブブー。間違い。こういう風にするんでしたー。

里奈「そうだっけ?」

そうだよ(笑)

もう、いったい何年生に教えているのか分かりません。まるで、この娘だけは受験の空間から外れてしまっているようでした。

好きなことがあった

ある時、私はそのレッスンに対して、少し早めに教室に入りました。

すると、里奈はお絵かきをしていたのです。

それは結構な腕前でした。

里奈さんはイラストを描くのが好きなの?

里奈「うん! 大好き!」

凄く上手だね。

里奈「えへへ(●´ω`●)」

じゃぁ、先生とイラスト対決をしよう!

里奈「いいよ! 負けないから!」

( カキカキφ(..) )

里奈「なにそれ〜!」

猫だよ?

里奈「違うよww 猫はねぇ。こうやって描くの!!」

さらさらさら〜っとペンが動いていきます。

そこには、可愛らしい猫が描かれていました。

里奈さんは、イラストレーターとかの仕事は知っているかい?

里奈「あまり知らない。」

そこまで、イラストが上手なら、それを極めるのはどうだろう?
でも、そういう専門学校にいくにも入試はあるから、ある程度勉強が出来ないといけないよ?

里奈「そうなんだぁ・・・絵ならずっと描いていたいのになぁ・・・」

先生も里奈さんが頑張るなら、いつでも手伝うから、一緒に頑張ろうか。

里奈「うん。頑張る!」

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まぁ・・・その一言で、勉強態度が変われば苦労しません(笑)

里奈「あぁ〜! 分かんないよー! お絵かきがしたい!!」

お絵かきは後だよ!!

そんなこんなでしたが、私としては一生懸命に面倒をみたつもりです。

里奈はモテる娘

さて、そんなこんなしているうちに、里奈はやっぱり可愛いので塾の中でもモテます。

生徒は、複数の中学校から受け入れていましたので、互いに知らない子同士ってこともあるのです。

なので、「◯◯中学校の××って娘。可愛いじゃん!」的なことも起こりうるのでした。

当然ながら、学年内の男子生徒が里奈にアタックをしていたようなのです。

記憶はちょっと曖昧ですが、どうも里奈は、その男子生徒がタイプではなかったらしく、また男子生徒もちょっとストーカーちっくになっていて、「偶然だね!」的な感じで接近して来るらしいのです。
(それ、全然モテない行動だから止めなさい・・・)

里奈は他の女の子とも関係は良好でした。ただし、頭はパーチクリンでしたけどね・・・(´;ω;`)

天然で可愛い娘という扱いになっていました。

電話番号を渡された

ある日、女子複数人と里奈が一緒になって、私の所に来ました。

里奈「先生あのね。ちょっと聞いてほしいことがあるの。」

はいはい。どうした? また、計算の仕方が分からなくなったんだろうww

里奈「違うよぉ・・・あのね。帰る時間を遅くしたいの。」

ほぅ。そりゃまたなんで? 自習したいから?

里奈「あのね・・・ある男子に付きまとわれて、ちょっと嫌なの。」

ふむ・・・深くは聞かないけど、帰りの時間に顔を合わせるのが嫌なんだね?
まぁ・・・俺が教室の掃除をするけど、その時間ぐらいまでなら居てもいいよ?

里奈「先生ありがとう! あと・・・それとね。これは、里奈の電話番号。
先生には教えようと思って・・・」

(あぁ・・・この手に頭を突っ込むとヤバイ。)
里奈さん。気持ちはありがたいけど、先生たちは生徒と個人的にやりとりをすることはダメなんだ。
俺がクビになっちゃうよ?(笑)

里奈「そうなのか・・・残念・・・」

そう言って、彼女たちは去って行きました。

最後に

何かオチがある話でもありません。昔の思い出話です。

因みに、里奈はこのあとしばらくして、私が務めていた塾を退会しました。

何が原因かは、正直分かりません。

やっぱり、勉強が嫌だったのか。男子生徒とのいざこざが嫌だったのか・・・

今では全てが謎です。私の中では、未だに謎が多い娘でした。

でも、だからこそ勉強を頑張って欲しかった。彼女なら、イラストの仕事に真剣に打ち込めただろうに。

その可能性を潰してしまったのだろうか。上手く育てられなかったのではないか・・・と時々、思い返します。

何か教訓めいたものを導き出すとするならば、「可愛いから」で全てを守られた人生は可哀想なのかもしれないと言うことです。

その子の将来を一緒に考える。それは親ほど強力で身近な存在はありません。

恐らくは、彼女は長く色んな意味で「可愛いから」という理由により、放置されてきた。

親によって過保護にされていたのかもしれない。

或いは、全く興味を持たれずに、彼女はイラストの世界に逃げ込んでいたのかも知れない。

周りと実は、上手く合わせられずに、絵の世界に魅了されていたのかも・・・

接する期間が短すぎました。ほんの半年にも満たない期間でしたから。

そんな時間で、人の全てを理解するなんておこがましい。

しかし、今でも私は時々思い出しては、「彼女は、今頃、どんな人生を歩んでいるんだろうか」と答えのない問を考えてしまうのです。