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Milkのメモ帳

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

Milk's Memo Note

日々の思いつきを忘れないようにのメモ用です。

特集を組むなら、正しく現状を伝えるべきだ

日記 IT関連 IT用語解説 ビジネス 考え方

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先日、NHKで「SFリアル」という番組をしていました。

確かに、AIについて特集を組むことは良いことです。

ただし、毎度ながら私は不満があるのです。

情報は”正しく”伝えるべき

楽しく購読させていただいているブロガーさんも、「SFリアル」について視聴していたらしく、そのことを記事にされていました。

shintaka2016.hatenablog.com

shintaka2016.hatenablog.com

このように興味を持ってもらえる人が増えることは、大いに歓迎すべきことです。

しかし、それと同時にTVに対して毎度不満があります。

それは、”正しく”AIについての知識を解説すべきだと思うのです。

実を言うと、これはAIに限った話ではありません。

IT全般に言えます。

番組を作るにあたって、ITに関しての知識があまりに欠落しているため、「IT=魔法」のような認識を持たれることがあります。

あるいは、コンピュータだから何でも出来るという勘違い。

これは大いに間違いです。

正確に言えば、コンピュータだから何でもは出来ないのです。

コンピュータは命令に従う

プログラムとは何か。

それは、コンピュータに対しての命令の羅列です。

では、プログラムを誰が書くか。

それは、人間です。

何が言いたいかと言うと、人間が命令順序を考えださなければコンピュータは何も出来ないと言うことなのです。

これは重要です。

www.milkmemo.com

過去にも記事を書きました。これは小学校の教育としてプログラムを必修科目化すべきかという話です。

プログラムとは命令順序を羅列したもの。

では、その命令とは何か。

それは、数学であり物理です。

では、優秀なプログラマーを生み出すためには何が必要か。

単純な話です。数学及び物理のマスターを育てるしかありません。

情報工学という分野は、コンピュータサイエンスという学問なのです。

プログラムを書けるようになるとは、英語で文章が書けるようになったという意味でしかありません。

大事なのは、英語でどんな文章を書くのかということでしょう?

プログラムのコアな部分を占めているのは、数式なのです。

もっと過激に言ってしまえば、この部分に携われない、つまりは新しいアルゴリズム(計算方式)を生み出せない人間は、単純なコーダーと化します。筆記係です。これを量産したところで、IT分野及び、IT産業の進化はありえないのです。

いかに効率の良い計算方法を実装するか。(プログラムに書き表すことを実装と言います。)

それが真のITです。

ITは魔法ではない。ITだから凄いのではない。

人間の手計算では到達できない時間を、コンピュータの早さによって時間短縮していること。

それがITなのです。

AIに対する誤解

ここ数年で激しく誤解を招いているIT分野があります。

それはAIの分野。

これについても過去に記事を書きました。

www.milkmemo.com

AIで大きな進歩が見られたことは確かです。

そして、画期的なアルゴリズムが実装されました。

それがディープラーニングという手法になります。

大雑把にAIを分けると、教師あり学習と教師なし学習とが存在します。

IBMのワトソンは、自らのことを「コグニティブ・コンピューティング」という言い方をしており、実はAIとは異なると近年になって主張し始めました(笑)

itpro.nikkeibp.co.jp

教師あり学習と教師なし学習は、根本的に大量のデータが必要であるという点は変わりません。

大量のデータを蓄積させ学習させます。この”学習”についてのアプローチが異なるのです。

教師あり学習

元来AIで言うところの”学習”とは、データをルール化するということです。

例えば、”人”について定義しましょう。

”人”とは、手が2本。足が2本の生き物です。首の先に頭があり、その前方に目、鼻、口等が付いています。また哺乳類に分類されます。そして、男性と女性が存在します。

次のステップに行きましょう。

手とは何ですか?

足とは何ですか?

首とはなんですか?

頭とは何ですか?

目とは何ですか?

鼻とは何ですか?

口とは何ですか?

哺乳類とは何ですか?

男性とは何ですか?

女性とは何ですか?


手とは、指と甲によって構成され、指は5本です。

指とは何ですか?

甲とは何ですか?

5本とは何でしょうか?


この全てをルールとして教えこまなければならないのです。これが所謂、典型的な教師あり学習です。

近年になり、マシンパワーが十分に備わって来たことで、データの解析を力で押し切ることが可能になりました。

それがIBMのワトソンです。

例えば、ワトソンに対し事前に医療に関する論文を読み込ませ、それを分類化させます。(この仕組みについて詳しくは分かりませんが、例えば形態素解析と言って、文章を意味のある区切りとして分解していくという手法は存在します。)

そして、巨大なデータバンクをワトソンに備えさせるのです。

病気に対しての症状をワトソンに投げかけます。すると、その事例に似たものを大量のデータバンクから検索して、関連性が高いと判断した論文を提示するという具合です。

ルール化してデータバンクに溜め込んでおくという部分は以前のAI手法と変わりません。ただし、ルール化するプロセスをもっと効率よく行うことが出来るようになったため、この手法でも人間の求める応答に反応することが可能になったのです。

教師なし学習

さて、ディープラーニングと言う単語がかなり取り上げられるようになりましたが、これは今までの教師あり学習とはアプローチが異なります。

詳しくは、過去のAIの記事を読んでいただけたら嬉しいです。

簡単に説明しますと、「入力に対し同じ出力を行うために必要な特徴を自ら獲得せよ。」という点が、これまでのAIの考え方と異なります。

このディープラーニングは様々な応用分野がありますが、特に得意とする領域は画像処理です。

ある画像をデータとして与えます。そして、その画像を自ら同じように生成するためには何が必要かを考えさせるのです。

考えさせると言うと感情を持っているかのように思いますが、決してそんなわけではありません。

100枚の猫の画像を与え、100枚の猫に共通の画像的特徴を抽出させるというアルゴリズムが走っているだけです。

ただし、この共通の特徴を抽出するという過程が、人間の想像する分類と異なる可能性があります。

あくまで例えですが、人間は猫の目の形を猫の特徴として重要視するかもしれません。しかし、AIからすると、画像共通点の中に猫の目の形は重要な特徴ではないと判断する可能性があります。

それ以外の特徴の方が、より猫を定義する上で重要な情報であると捉えているかもしれないのです。

これは、囲碁の世界で実際に表れました。ディープラーニングを基本として実装したAlpha Go はAI同士で対戦を行う中で、囲碁の勝ちパターンの特徴を抽出しました。

そして、実際に人と対戦した時に、Alpha Go はめちゃくちゃな手を打ち始めたのです。しかし、人間には意味が不明でも、最終的にその手が有効であることが実証され、人間に勝利したのです。

人間には理解出来ない、または人間が到達できない特徴を抽出し、解として得ていることが分かります。


つまり、AIの問題点は、感情を持つとかそんな話ではなく、AIが出した結論に対し人間が正誤の判断が下せない状況が出現する可能性がある。という点です。

最後に

AIの特集を組むのも結構。

ITのホットな話題について、放送するのも大いに結構。

ただし、安易に想像の世界で、真実を隠すような報道だけはして欲しくない。

そう思うのです。

そうでなければ、真の問題点が伝わらない。真に議論すべき課題が認識できない。

情報を伝える重みをしっかりと考えて欲しいと思います。

この記事を書くにあたり、しんたさんの記事を勝手ながらお借りしました。もし、お気に触るようであればご連絡ください。

shintaka2016.hatenablog.com

また、ここで感謝を述べさせていただきます。

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)

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