なんだか、YB-1のこと書いたら懐かしくて、ボカロのことも書きたくなりました(笑)
今回は、懐かしい曲を交えて、私とボカロの出会いについてお話したいと思います。
ニコニコ動画
20歳になった頃、今までとは違う何かをやりたい!と思うようになりました。
その時、ちょうどニコニコ動画の最盛期。
ある日、友人にニコニコ動画っての知ってる?と言われて、「知らないよー」と答えたところ、ジブリのオモシロMADを見せられて大爆笑しました。
しかも、一般の人が投稿してるって言うし。
へぇ〜。すごい人たちがいるもんだと思いましたね。
でも、そこである一曲に出会うのです。
メルトで”恋に落ちた”
「メルト/初音ミク」
脳天に一撃をくらうほど衝撃を受けました。
嘘だ。素人でもこんな素晴らしいのが投稿できるの?本当??
ryo*1って言うんだ・・・
すごい・・・凄すぎる。
私は両親の影響もあって、80's HR/HMやPopを聞いていました。
そして、あまりに商業主義な邦楽業界に愛想をつかしていて、全くというほど今時の曲を聞いていませんでした。
でも今、目の前に現代の音楽より数段良い曲(プロに匹敵するほどの)がある!しかも素人が投稿してる!!
この歌っているの誰なの?
誰なのさー!!
答え:人間じゃなかった。
ボーカロイド(Vocaloid:ボカロ)という音声シンセサイザーだったのです。
ボーカロイド(ボカロ):Vocaloid
ボーカロイド。略してボカロ。
今までも、音声シンセサイザーは存在しました。しかし、それはコーラス音をピアノの音階に割り当てたという感じのシンセサイザーだったのです。(ワーとかウーとかの音だけ)
しかし、ボーカロイドは、自由に日本語を音階で発声できる。それが今までにありえないことだったのです。
また、よりキャッチーになったのは、その声を発生するシンセサイザーに人物イメージをつけた点です。
それは「初音ミク」として名前を持ち、そしてキャラクターデザインもありました。
ここで上手だったのは、あくまで「初音ミク」という名前とキャラクター像しか設定がなかったことです。
このシンセサイザーを使ったユーザー達が、自由に自分で思う初音ミクのキャラクターを発表して、曲に活かすことが出来ました。
またDTM(音楽をコンピュータで作る環境)が整備され、マシン性能も十分に上がってきた時代で、個人でも曲を作ることが可能になってきたのもポイントです。
その様々なタイミングが重なり、ニコニコ動画でボカロは大ヒットしました。
初期の頃は特に、各作曲者の魅力が全面に出た曲が多かったです。(今も魅力的な曲は多いですよ。)
なので、これは個人的な意見ですが、商業的な音楽に怒った人たちが、
自分が最高だと思う曲はこれなんだ!!
そして自由にみんなに聞いて欲しい!
これが本当の音楽なんだ!!
というエネルギーが爆発した瞬間だったのだと思います。
少し脱線しますが、大学の頃、Maxellで研究を行っていた人と話をする機会がありました。その人は音声技術に関する研究を行っていたのですが、ボーカロイドについて尋ねました。その人曰く、「あれは確かに良いね。でも、◯◯大学(忘れちゃいました。ごめんなさい。)のラボにはもっと流暢に話せる音声ロイドがいるんだよ。ラボの音声技術は、商業的に発売されている技術より何段階も先を行っているんだ。」
それを聞いて痺れました。すげー!!早く聞きたいよ。もっと人間に近くなるなんて・・・
もしかしたら、その後に出されたボーカロイドのアップデートは、その技術をフィードバックしたものだったのかもしれません。(事実は知りませんので、あくまでそうなのかなぁって想像だけです。)
あと就活の時に、ボカロ発売元のクリプトン・フューチャー・メディア(株)さんに採用のお願いメールを送ったことがあります。そうしたら、丁寧に現在新卒採用を行っていないという旨の返信がありました。
バカ大学生の突撃のメールに親切に対応して頂き、本当にありがとうございました。ずっとクリプトンさん応援してます!!
ボカロが世界に広がっていく
大学生は忙しいようで暇です(笑)
ですからryoさんの曲を始めとして、目一杯のボカロの曲を聴きました。
ロボットらしさを逆手にとる
最初の頃は、KAITO、MEIKO、初音ミク、鏡音リン・レンがいました。
やはり人間の声に比べると違和感があり、ロボットっぽくなってしまいます。初期の頃はそこを逆手にとって、ロボット達が人の心を獲得して歌うという設定の曲が流行りましたね。
また、ボカロだから歌えるという曲をあえて作るというパターンもありました。
「初音ミクの消失」:初音ミク
「ココロ」:鏡音リン
人間に近づける
また、当然ながら「神調教」として、人間にどれだけ近づけるかも日々進化し続けていました。
「Close My Eyes」:MEIKO
この頃は、今のように人間に近いバージョンのパッチが当たっていなかったので、そのままの音だと本当にロボットのようでした。
今はV3までバージョンが上がっているようです。因みに私のお家にいる子は、鏡音リン・レンの無印(初期)です。
(一般的には、じゃじゃ馬っ子との評価です。でも、上手くコンプレッサーで調整してあげれば、すんなり歌ってくれるいい子ですよ?)
ですので、いかに緻密にパラメータをいじって、人間の声の発声状態(口の開け方や声の出し方)を忠実に再現するか、またどのコンプレッサーで音を整えるかで個性が出ました。
今は今でいいと思いますよ。一部のユーザからすると今の楽々設定は邪道だと言う意見もありますけど、私はそれでも良いと思っています。ただし、昔は本当に苦労して人に近づけていたということです。特にKAITOとMEIKOの調整パラメーターは難易度が桁違いでした。
因みに、調教って言葉は嫌いで私は使いませんでした。やはり、調整の方がしっくり来ます。
一人のボーカルとして独立する
更にボカロの文化は発展していきます。今までは、ボーカロイドが歌詞として出てくる、または彼らが歌うという設定の歌が多かったのですが、一人のボーカルとして扱われていくようになります。
つまり、普通のバンドボーカルということです。
「VOiCE」:初音ミク
「moon」:初音ミク
https://www.youtube.com/watch?v=F5jsDFTSBAQwww.youtube.com
独自の世界観を持った曲が生まれてきた
その後、ボカロの仲間は増えていきました。巡音ルカ(英語が歌える)、GUMI、がくぽ、などなどボカロファミリーは増えていくのです。
そして、作曲家たちは自分の世界観にマッチするボカロにボーカルを担当させるということが出来るようになりました。
非常に、音楽性に幅が出てきたのです。
独自の世界観を醸し出すユニークな作品も沢山産まれました。
「Free」:巡音ルカ&鏡音レン
「マトリョシカ」:初音ミク&GUMI
「ワールドエンド・ダンスホール」:初音ミク&巡音ルカ
https://www.youtube.com/watch?v=jxDRTUZwZ8Iwww.youtube.com
曲をつくるクリエイター側になりたい!
確かに、ボカロの曲を聴くのは楽しかった。
でも、それだけでは気持ちが止まらなくなってきたのです。素晴らしいクリエイター達の曲に触発され、自分もその仲間に入りたいと思い始めたのです。
最初は、環境を整えるのが大変でしたね。
一番最初に使ったDTMはこれでした。

MUSIC CREATOR 5 Audio Recording Pack
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SonarというDTMの廉価版のものでした。そうとは知らず、少ない貯金の中から買えそうなものを選んだ結果こうなりました。
また、我が家に来てもらったボカロは、鏡音リン・レンでした。
一つのソフトで男性も女性も声が出せるというお得感もあったのですが、リンちゃんの力強い声質が自分の作りたい曲の世界観にピッタリだと思ったからです。
因みに、シンセサイザーなので萌え絵が出てくるってことはないんですよ?(笑)
最初はこれだけで作っていたのですが、やはり安物のDTMでは限界が来ました。
ということで上位版のSonarを購入。

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学割で買いました。
ただ、Sonarは日本での販売元がRolandから変わって、いろいろあったみたいで、今ひっちゃかめっちゃかになっています;(どうなってるんだろう?)
作曲に関してはまた別の機会に書こうと思います。
因みに、以下が私の投稿リストです。
やっぱり名だたる作曲家さん(ニコニコ動画ではプロデューサーと言われていて、◯◯Pという名前をファンからもらったりします)には及びませんね;
今回はここまで。
みなさんにもボカロってどういうものか知っていただけたでしょうか。
自分もこの記事を書きながら懐かしい曲を聞けて楽しかったです。
本当はもっともっともーっと、沢山の良い曲たちがあります。
それは、またの機会にご紹介しましょう。
それでは、adios!!
*1:この方は後に、メジャーデビューをしました。