簡単に言うと、自動車の性能をソフトウェアで制御すると言う話だ。
高性能モデルを用意する
ソフトウェア制御で対応できた車種は「Model S 60」「Model S 60D」という車種らしい。
これは「Model S 75」のソフトウェアを一部変更する(性能制限をソフトウェアでかける)だけで、これらのシリーズを出荷できるということだ。
記事で言っている内容は、もう少し未来の話をしている。
まず、全ての機能を搭載した状態で車を出荷する。
そして、最小限の機能だけが動作するようにソフトウェアでロックをかけておく。
ユーザはロックされた状態ならば、一番低いランクで車を購入することが出来る。
そして、使う中で自分の自動車の性能を上げたいと思えば、追加料金を払うとソフトウェアロックが解除されて使用できるということらしい。
確かにいい案だと思う。
これから分かるように、だんだんとソフトウェアの重要度が増してきていることが分かる。
少し気になる点
これは戦略的に非常に良いと思うのだが、少々気になる点もある。
バッテリー部分の容量制限だ。
例えば、カーナビだとか、無線コンシェルジュだとか、そういう部分は急に使用できる状態になったとしても、出荷前に動作確認していれば問題ないと思う。
ただ、使用できるバッテリー容量をソフトウェアで制限した状態で出荷して、ロック解除を行った場合に100%の能力が発揮できるのか?というのが気になる。
流石にこれはソフトの問題じゃなくて、解除する頃にバッテリーがヘタってたら意味がない。
その時は、無償でバッテリー交換してくれるのかな?
Tesla Model 3 は出荷出来るのか?
テスラの素晴らしかったところは、まずデザインを重視して、高級車を購入するセレブ層をターゲットにした所だ。
その戦略が上手かった。
ガソリン車では、テスラよりも安くそれ以上の性能の車なんて沢山あるし、寧ろそっちが主流だ。
でも、敢えて性能が落ちたとしても”テスラ”に乗っているというステータスが重要というイメージ戦略が上手だったのだと思う。
ここがポイントで、完全に ”テスラ=セレブの仲間入り”という構図が出来た。
だから、今回はより一般層にも手が届く「Tesla Model 3」を発表したが、まだ出荷出来る状態じゃないのに予約が殺到している。
出荷できるのは早くて2017年末なのに、既に予約は27万6000台を超えたのだとか。(2016年4月2日時点)
ただし、まだ生産ラインを建設している段階である。
本当に出荷出来るのか?
なぜ予約段階でこんなにテスラがホクホクしているのか気になったが、結局予約金が必要らしい。
この予約金が日本円で15万円。
単純計算すると、15万*27万6千台 = 414億円 となる。
何も生産していないのに、既に414億ものお金を手に入れたことになるのだ。(ただし、キャンセルすると15万円は手元に返ってくるらしい。)
うーん。
なんだか、ちょっと詐欺まがいな感じもする。
本当に2017年末までに出荷可能状態になるのか?
そして、出荷できたとしても予約した人に行き渡るにはいったい何年かかるのか?
イーロン・マスクの手腕は素晴らしい。スティーブ・ジョブズの再来とも言われている。(部下を罵倒しまくるところも一緒(笑))
がしかし、なんともこれはやり過ぎじゃない?とも思う。
「Tesla model 3 を予約したんですよ!」って笑顔でインタビューされていた日本人がいたが、彼の手元に車はいつ到着するのだろうか・・・