参照:マクラーレン、トラブル多発に「ルノーのF1エンジンが原因ではない」 【 F1-Gate.com 】
2017年は、メルセデスの圧勝でした。
しかし、フェラーリとレッドブルも段々と追いついてきています。
2018年に出走するチームは以下の通りです。
ドライバー | チーム名 | シャシー名 | PU名 |
---|---|---|---|
ロマン・グロージャン ケビン・マグヌッセン |
HAAS F1 TEAM |
HAAS | フェラーリ |
フェルナンド・アロンソ ストフェル・バンドーン |
MCLAREN F1 TEAM |
MACLAREN | ルノー |
ルイス・ハミルトン バルテリ・ボッタス |
MERCEDES AMG PETRONAS MOTORSPORT |
MERCEDES | メルセデス |
ダニエル・リカルド マックス・フェルスタッペン |
ASTON MARTIN RED BULL RACING |
RED BULL RACING | タグ・ホイヤー |
ニコ・ヒュルケンベルグ カルロス・サインツ・ジュニア |
RENAULT SPORT FORMULA ONE TEAM |
RENAULT | ルノー |
セルジオ・ペレス エステバン・オコン |
SAHARA FORCE INDIA F1 TEAM |
FORCE INDIA | メルセデス |
マーカス・エリクソン シャルル・ルクレール |
ALFA ROMEO SAUBER F1 TEAM |
SAUBER | フェラーリ |
セバスチャン・ベッテル キミ・ライコネン |
SCADERIA FERRARI |
FERRARI | フェラーリ |
ピエール・ガスリー ブレンドン・ハートレー |
RED BULL TORO ROSSO HONDA |
SCUDERIA TORO ROSSO |
ホンダ |
ランス・ストロール セルゲイ・シトロキン |
WILLIAMS MARTINI RACING |
WILLIAMS | メルセデス |
今年は、ホンダがトロロッソと組み、「レッドブル・トロロッソ・ホンダ」として出走します。
シェイクダウン(初走行)と、開幕前のバルセロナ・テストは順調な走り。
さて、2018年はどのようになっていくのでしょうか?
楽しみですが、今回は「ハース」「マクラーレン」「メルセデス」「レッドブル」を紹介します。
HAAS F1 TEAM(ハース)
米国を拠点とするハース。
現在のF1チームの中では若いチームになるでしょう。
2016年に発足しましたが、どこかのチームを買収すると言う形は取らず、一からチームを立ち上げました。
フェラーリとの蜜月の関係が噂されたハースでしたが、現在はフェラーリとザウバーの関係がより濃厚で密接している状態です。
また、チームオーナーとしては、数年以内に優勝圏内に入らなければ、F1からの撤退もありうるとの発言が注目を浴びました。
デビュー戦からポイントを獲得するという鮮烈な印象を与えたハース。
しかし、昨年は中団の後方に甘んじる展開が多くなりました。
かつての、マノーと同じ運命を辿るのか・・・
VF-18
参照:【動画】 ハース、VF-18のシェイクダウンを実施 【 F1-Gate.com 】
2016年からカラーリングは大きく変化はしていません。
白をベースとし、赤と黒のカラーが印象的なマシンです。
ドライバーの後方から、リアウィングにかけての背ビレのような部品。
通称、シャークフィンと呼ばれている部品ですが、2018年から禁止されています。
ハースとしては、シャークフィンの大きさを小さくしレギュレーションぎりぎりに収めるという方法をとりました。
昨年の「VF-17」を進化させたマシンと公言しています。
また、フェラーリ製PUを搭載し、ギアボックスもフェラーリ製を採用。
シャシー(簡単に言うと車体)も、フェラーリに酷似した形をとっています。
技術的なサポートをフェラーリから受けていることは明白です。
2017年は、メルセデスを徐々に追い詰める展開が出てきたフェラーリ。
その方向性に合わせようということのようです。
ドライバー
参照:ハースF1チーム、2018年F1マシン『VF-18』の新車発表会を実施 【 F1-Gate.com 】
- ロマン・グロージャン(右側)
- ケビン・マグヌッセン(左側)
ロマン・グロージャンはロータスに所属していましたが、ロータスがルノーに買収されるタイミングでハースに移籍することを決定。
新規参入するハースでポイントをゲットすることは困難だと言われていましたが、その初戦で見事にポイントをゲットしてみせました。
昨年のドライビングは、思ったようにマシンの性能が伸びず、中団後方にいることが多い印象。
また、少々ドライビングが荒いことで有名で、コースアウトすることも度々ありました。
ケビン・マグヌッセンは、マクラーレン・ホンダのリザーブ・ドライバー(開発の補助や、主契約のドライバーが出られない場合に交代する)として2015年まではいました。
その後、このままではF1で走ることが出来ないと判断し、ロータスを買収したルノーに合流。
2016年はルノーとしてF1で走ることになります。
このまま契約は続くとルノーは考えていましたが、突如にマグヌッセンはハースに移籍。
ルノーは公にマグヌッセンを非難するほど、怒り心頭。
それでも、2017年はハースとしてマグヌッセンは闘いました。
グロージャンとマグヌッセンの関係性は良好。互いにそれほどタイム差はないように感じます。
また、グロージャンはドライビングも成熟しつつあり、マグヌッセンは若手から中堅のドライバーになりつつあります。
この観点から見ても、マシン性能が今一歩ということでしょう。
どこまで、フェラーリから恩恵を受けられたのか。
マシン性能を通して、ハースとフェラーリの関係性も見えてくる・・・という面白い展開です。
MCLAREN F1 TEAM(マクラーレン)
2015年に、PU(パワーユニット)をメルセデスからホンダに切り替え、ワークスチームとして歩んできたマクラーレン。
しかし、3年の月日を経て、遂にマクラーレン・ホンダからマクラーレン・ルノーになることを決意しました。
2017年が開幕する前に、長年マクラーレンを率いてきたロン・デニスを解雇。
「新生マクラーレン」として復活を遂げると宣言しました。
運営体制も、三位一体として一新。
- ジョナサン・ニール(スケジュール等の管理)
- ザック・ブラウン(スポンサー管理)
- エリック・ブーリエ(技術管理)
となりました。
この体制を維持しつつ、PUをルノーに変えて2018年を闘います。
MCL33
参照:マクラーレン、2018年F1マシン『MCL33』を発表 【 F1-Gate.com 】f1-gate.com
マクラーレンの伝統の色である、「パパイヤオレンジ」をカラーリングに採用。
また、PUはホンダに比べ、ルノーの方が大きいためにシャシーの設計変更を余儀なくされました。
これが今年に影響が出るのか・・・
(後述しますが、実際に影響が出ました。)
昨年まで、「スピードが出ないのは、PU(ホンダ)のせいだ。」と主張し続けてきたマクラーレン。
今年は言い訳が出来ない状態となっています。
また、深刻なのはメインスポンサーがいないこと。
カラーリングが自由に決められるということは、スポンサーが付いていないということも意味しています。
明らかにスポンサーのロゴが少ないですね。
マクラーレンとしては、F1チームを存続させる瀬戸際にまで追い詰められている状態と言えます。
今年に表彰台は無理だとしても、中団の中でトップ。つまり4位は確保しなければならないでしょう。
そのようなプレッシャーをかけられたマシンとなります。
しかし・・・開幕前のバルセロナでのテスト走行では連日のトラブル発生。
問題視されているのは冷却トラブル。
ルノーのPUはホンダのPUに比べると、かなり場所をとります。よって、PUを収める部分がギリギリとなり、エンジンカバーが数週走っただけで焦げ付くということに。
緊急で通気口を開けたり、冷却用の器具を取り付けたりしています。
シーズン中にシャシーの設計変更が求められますが、果たして中団の先頭に立つことは叶うのか?!
ドライバー
参照:【画像】 マクラーレン 2018年 レーシングスーツ | F1-Gate.com
- フェルナンド・アロンソ(右側)
- ストフェル・バンドーン(左側)
アロンソはチャンピオン経験者。
F1ドライバーとしての年齢では引退も間近と言われていますが、そのドライビングはチャンピオンを奪還出来ると言われています。
彼のドライビングスタイルは、マシン特性に合わせてその時点の最高の速度を出すこと。
よって、どのチームマシンも乗りこなすことが可能とさえ言われています。
逆に言うと、マシン性能を計測するには不向きなドライバー。
成熟したマシンに乗せれば圧倒的な力を発揮するタイプなのですが、発展途上のマシンではデータ取得が難しく、開発や改良が難しいと言えます。
ストフェル・バンドーンは2年目のドライバー。
ケビン・マグヌッセンがリザーブ・ドライバーを務めていましたが、ルノーに移籍したため彼が代役に。
また、アロンソとバトン(ジェンソン・バトン)で組んでいましたが、バトンが引退。
そのままバンドーンがドライバーとして契約を果たしました。
彼は、実力を認められて起用されたドライバーです。
昨年は新人ながらも、アロンソから大きく引き離される状態はありませんでした。
元チャンピオンと比較される機会が多かったため、プレッシャーがあったでしょうが、今年は更に落ち着いた彼らしいドライビングが見られるでしょう。
印象としても、素直に乗りこなすタイプで、着実に車の挙動を把握しフィードバックします。
ベッテルに近いドライバーと言えるでしょう。
MERCEDES AMG PETRONAS MOTORSPORT(メルセデス)
ここ数年。圧倒的な強さを見せつけているメルセデス。
完膚なきまでに、フェラーリとレッドブルを叩きのめしています。
昨年は、幾度かフェラーリやレッドブルが表彰台の頂点を掴みましたが、大抵のレースはメルセデスが優勝を収めています。
まず、メルセデス製PUは故障率が少ないこと。そして、馬力が一番あること。
これにメルセデス独自のシャシーが合わさることで、完全体となっています。
W09
参照:【画像】 メルセデス W09 スタジオフォト | F1-Gate.com
昨年の初期のW08は、シャークフィンを搭載していませんでした。
しかし、シーズン中にシャークフィンを追加。そして、W09にもその名残があります。
シャシーは昨年同様のロングホイールベース(ホイールベースとは前輪から後輪までの長さ)で、メルセデスは「ディーバ」と呼んでいます。
W08とW09は、ぱっと見た時に大きな変化は無いように見えます。
ドライバー保護の為に義務付けられた、コックピットに装着される「ハロー」があるぐらいです。
ですが、秘密はサイドポッドに。
サイドポッドとは、ドライバーの両サイドにある膨らんだ部分の場所です。
F1は高速に移動するため、空気がどのように車体に当たるかがポイントになります。
サイドポッドには様々な役割がありますが、大きな役割はフロントウィング等で乱れた気流をいかに整えるかという点です。
サイドポッドの中に空気を取り込んで、後方に自然な形で送り出します。空気抵抗や乱流が発生すると、スピードダウンを招くのです。
よって、W08から更にサイドポッドの内部を緻密に設計し直した、正統な進化型がW09と言えます。
メルセデスによれば、0.25秒の改善がみられたのこと。
これは大きな差です。
F1の世界では前方のマシンと1秒の間隔が出来ると、追い越しが難しい状態になります。
つまり、後方のマシンと1週あたり0.25秒の差がつけられるとしたら、単純計算で行くと4週で追い越し不可能になるということです。
(実際には、後方マシンはDRSゾーンでの可変ウイングの使用が出来ますので、タイム差を縮める機会はあります。)
0.25秒は、それほどまでに影響のある数値なのです。
ドライバー
参照:「バルテリ・ボッタスはハミルトンにとって“格好のナンバー2”」 【 F1-Gate.com 】
- ルイス・ハミルトン(右側)
- バルテリ・ボッタス(左側)
昨年、チャンピオン(総合優勝)を獲得したハミルトン。
メルセデスは、ここ数年完全にF1の覇者となっていたわけですが、ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンというタッグを組んでいました。
2016年に熾烈な争いを繰り広げ、遂にニコ・ロズベルグがチャンピオンを手中に収め、突如として引退しました。
昨年は、ウィリアムズから引き抜いた、バルテリ・ボッタスとタッグを組みメルセデスは参戦。
マシンポテンシャルに助けられ、ボッタスはなんとか表彰台に乗り続けることは出来ましたが、ハミルトンと対等に肩を並べることは出来ませんでした。
昨年の順位は、ハミルトンが1位。ボッタスは3位となっています。
コンストラクターズチャンピオン(チーム別の総合優勝)は、当然ながらメルセデスとなったわけですが、ボッタスは完全にハミルトンの引き立て役に・・・
ハミルトンは、多々言動に波紋を呼んでいます。
(「InstagramでLGBTを差別するような投稿をした。」「パーティーばかりして私生活が滅茶苦茶。」など・・・)
しかし、現状でハミルトンに「確実に」勝てるドライバーは存在しません。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルや、レッドブルのダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペン。
そして、マクラーレンのフェルナンド・アロンソ。
候補はいますが、ハミルトンは毎レースで圧倒的なタイム差をつけて優勝しています。
ボッタスはメルセデスでアピール出来るのか・・・
メルセデスは、「ファーストドライバー/セカンドドライバー」は存在しないとしていますが、このままの成績だとハミルトンを重要視してチームオーダーが出される可能性はあります。
ASTON MARTIN RED BULL RACING(レッドブル)
昨年からアストンマーチンをメインスポンサーに迎えたレッドブル。
現在の3強と呼ばれるうちの1つです。
使用しているPUはルノー。
しかし、ルノーの安定性問題や不具合の多発に怒り心頭。腹いせにPUの登録名を、スポンサーである「タグ・ホイヤー」にしています。
ルノーのPUが安定しない状態の中、コンストラクターズランキングでなんとか3位に食い込んだのは、エイドリアン・ニューウェイという人物がいるため。
彼の設計するシャシーは常に画期的であり、フェラーリからスカウトを何度も打診されている程です。
シャシーのポテンシャルによって、カスタマーチームの中ではダントツの速さを出しています。
また、2018年にルノーとの契約が切れるため、更新するかどうかを迫られています。
(ルノーの言い分では5月中に決定しろとのこと。)
トロ・ロッソとは姉妹チーム。今年のホンダのポテンシャルを見て、PUをホンダにするのか、ルノーにするのか決めるようです。
また、レッドブルの代表である、クリスチャン・ホーナーが曲者。
かなりワンマンで、我儘言い放題で有名。
(レッドブルの意見が通らないとF1から撤退すると脅したり、レギュレーション変更をしろと喚いたり、やりたい放題。)
他のチームから、色んな意味で「厄介扱い」されているチームです。
RB14
参照:レッドブル・レーシング、RB14の正式カラーリングを発表 【 F1-Gate.com 】
昨年と大きくカラーリングは変わりません。
しかし、アストンマーチンの「ウイング・ロゴ」をリアウイングに描いたり、車体の横にも「ASTON MARTIN」とロゴが入っています。
シャシーに関しては、レッドブルにしてはかなり保守的な仕上がりになりました。
要所に今年のトレンドを入れ込んでおり、それなりの車体となったのですが、「レッドブルだけ」のチャレンジングな部分はあまり見えてきません。
シャシーとしては完成形は見えてきており、PUの能力が高まるのを待つということなのか?
開幕前のバルセロナ・テストでも、無難な走り。
例のごとく、ルノーPUが問題を起こしていますが、それに対しては早急にルノーが対処するとのこと。
フィーリングとしても、ドライバーは好感触みたい。
大きな問題は出ていない。裏を返すと、とびきりチャレンジングなこともしてない?
あまり、これと言って開幕前の時点では「進化」が見えてこないマシンです。
当然ながら、シーズン中にシャシーパーツのアップグレードを重ねていきます。
シーズンの中で変形させていく戦略なんでしょうかね?
ドライバー
参照:マックス・フェルスタッペン、リカルドのレッドブル残留を願う 【 F1-Gate.com 】
- マックス・フェルスタッペン(右側)
- ダニエル・リカルド(左側)
昨年の順位は、リカルドが5位。フェルスタッペンが6位となりました。
リカルドはしっかりと結果を残しており、レッドブルのシートを確保し続けています。
レッドブルとしても、ベテランであるリカルドが居てくれるのはチームが安定するひとつの要素となるでしょう。
リカルドは2018年までの契約。彼自身もチャンピオンになりたいはず。
メルセデスやフェラーリへの移籍が噂されています。
仮に、レッドブルが2019年シーズンは、PUをルノーからホンダに切り替えると発表した場合、残留してくれるのか・・・
それは分かりません。
リカルドとパートナーを組むのは、フェルスタッペン。
彼は今年で、20歳。
17歳でF1デビューを果たしトロ・ロッソのドライバーでしたが、シーズン途中でレッドブルに昇格。
そして、F1史上最年少で優勝するという偉業を成し遂げました。
このことによりレギュレーションは変更され、「F1ドライバーは18歳以上でなければならない」となりました。
つまり、この記録は破られないものになったのです。
確かにドライビイングスキルは高い。
ですが、若さ故にかなりギリギリを攻めて接触しかけたり、周りのベテランドライバーでないと回避出来ない動きをしたりとヤンチャボーイ。
キミ・ライコネンはチームへの無線で「あの坊やが、ちょこまかと変な動きをするせいでイライラする!」と言って、だいぶ嫌っている模様。
挙句には、マシンごとぶつけていいか?と言い出すほど。
フェルスタッペンは防御のつもりで急なブレーキングを行ったりするので、上位を走る経験豊かなドライバーでなければ回避不可。
しかし、いずれはチャンピオンになるだろうと言われているドライバーです。
最後に
今回は、4つのチームを紹介しました。
全部で3つに分割して記事を書くつもりです。
次回もお楽しみに!
それでは、今回はこの辺で。
adios!!