皆さんはお気に入りの物ってありますか?
例えば、私の場合はどうしてもコンピュータやスマホと言った、IT系の物になってしまいます。
それに、私はひねくれ者でしてね・・・皆と同じのは嫌だ!!という主義なんです。
いやぁ・・・困ったちゃんです。
楽しく購読させていただいている方の記事で、BlackBerryのハードウェア事業からの撤退が取り上げられていました。
で・・・ついつい買っちゃったんだって!!この気持ち分かるww
今日はそんな話。
私の愛用スマホはWindowsPhone
私は、最初に手にしたスマホがWindowsPhoneだったんです。
その頃のコードネームは、確か「Mango」でした。また、バージョンもWindowsPhone 7.5 となっており、iphoneやAndroidに何とか付いて行こうと必死だったのです。
ここら辺の話は、過去の記事を見ていただければ・・・
当時、今で言うフィーチャーフォンで圧倒的なシェアを誇っていたNokia
しかし、スマホの登場により、その牙城は次々に崩されていきます。Symbianという独自のOSで巻き返しを図りますが失敗。
そこで、WindowsPhoneも搭載してくれるメーカーを探していたので、彼らは協定を結ぶことになります。
そして、出来上がったのが Nokia Lumia シリーズです。
デザインとしてもかなり格好良かった。
ハイエンドモデルは、Lumia900系の名前がつけられていて、私も長らくLumia 925 を使っていました。
失敗の要因
幾つか失敗した要因はあります。
アプリのエコシステムが構築出来なかった
これは開発環境の提供が遅すぎたということですね。
もうスマホアプリ開発のデファクトスタンダードとしては、iphoneの場合objective-cで行くか、Androidの場合はjavaで行くというのが決まっていました。
しかしながら、WindowsPhoneとしては、基本的にはMicrosoftの言語であるC#での実装をして欲しかった。ですが、もう既にApple Store や Google Play の市場は大きくなっており、今更ながらアプリの充実化を図ることが出来なかった。それに、C#に移植するコストを考えると、市場が大きくないのに、そこまで範囲を広げるメリットがなかった。
まぁ・・・圧倒的にアプリの数が少なかったということです。
そうなると負の連鎖が始まります。市場的に魅了が薄いので、開発コストをかける必要性を感じない。すると、ますますアプリが充実しない。
この繰り返しになります。
WindowsPhoneは、後発のスマホOSとして機能は十分でした。また、かなり軽いOSで動作は快適でした。しかし、アプリが少なかった。
電話機としての機能、及びSNSの連携は素晴らしかった。しかし、更に機能を拡張する役目を果たす、アプリの充実化が図れなかった。これが一番の要因でしょう。
互いにアプリの良さを共有できない。それが先進国では売れなかった理由でしょうね。発展途上国では売上はまぁまぁでした。だって、スマホの機能は十分に備えていますから。ただしローエンドモデルが、バカ売れして売上を補填してくれたかというと、そこまでの力はありませんでした。
自由度が小さかった
これは、iphoneとAndroidの中間的なOSになってしまったことが問題ですね。
iphoneは、Appleがハードウェア設計まで行うという一貫した状態を保っていますから、OSとしてもiphone専用です。これを他のメーカーがチューニングすることはあり得ませんし、このOSを実装して販売も出来ません。
Androidの場合は無料OSですから(ただし、中身の特許等のライセンス料がかかるとは聞いたことがある。)、独自のUIを上にかぶせたり、中身に手を入れることが可能と言えば可能です。つまりは、メーカー独自の色を出そうと思えば出せる状態になっているのです。
しかし、WindowsPhone(現在は、Windows 10 mobileと名称を変更)の場合、メーカーに委託してOSを実装し販売は行いますが、UIの変更や中身に手を加えることは実質出来ませんでした。
つまり、他のメーカーとの差別化が出来ないのです。Microsoftとしては、全体の統一感を出したかったのが意図としてあったのだと思いますが、Androidほどの自由度が無いOSとして、メーカーとしてはメリットが薄くなったのだと思われます。
そうなると、シリーズ化してまで販売してくれるメーカーが現れませんでした。
唯一、契約しているNokiaだけが、Lumiaシリーズとして販売していたのです。ほぼ、「WindowsPhone = Lumia」の構図が出来上がっていました。これは、本当は良くない状態であったはずです。
アプリ開発がし難い
これは個人的な私の意見ですから、的外れになっている可能性が大です。
Windowsのアプリケーションは、基本的にWindowsFormsというライブラリを利用していました。
これは、.Net Frameworkライブラリの初期から存在する、画面UIのライブラリであり、デスクトップ向けのアプリ開発をする上では、これで必要十分だったのです。
特に、社会インフラ系のシステム屋からすると、簡素な画面で十分で、きらびやかな画面UIを求めることはありませんでした。ですから、今でもこのWindowsFormsというライブラリは生き続けています。需要があるからです。(Microsoftとしても、切り捨てることが出来ない。)
画面の自由度を高めるために、つまりもっと美しい画面UIを実現するために、WPF(Windows Presentation Foundation)というライブラリ及び概念を発表し、これをMicrosoftとしては浸透させようとしました。
しかし、このWPFの学習コストは意外と高く(学習コストとは、技術の習得時間及び、それによって発生する人件費)、これを使わなくても十分にWindowsFormsで間に合っていたため、これに移行するメリットがなかったのです。
因みに、これはスマホが登場する前までの話。
WPFの特徴は、現在のAndroidのアプリ開発では当たり前でありますが、画面UIの定義をXML(HTMLに似た物と思って下さい。)とし、機能についてはC#コードとして書くことで、デザインとプログラムの分離を図るという画期的なものでした。デザイナーとプログラマの共同での同時進行の作業が可能になるのです。
しかしながら、これは今までのWindowsFormsの概念とは大きくかけ離れており、理解することが非常に難しいものでした。混乱の一つの原因は、私はC#と言う同じ言語を使ったという点だと思っています。
つまり、同じC#という言語でありながら、画面の作り方がWindowsFormsを利用する方法、WPFを利用する方法、と2つに分かれてしまったことです。しかも、これは開発する上で今でもどちらも選択可能です。
これが混乱を引き起こす元になったのだと思います。
Microsoftとしては、WindowsFormsでの画面開発をバッサリと切るべきだった。そうでないと、プログラムを組む側からすると、未だに利用可能なライブラリがあるのに、移行するメリットが理解出来ないからです。(学習コストもバカにならない。)
さて、スマホが出てきましたが、Microsoftとしては、画面UIをリッチなものにしたいと思っていました。
ですから、WPFをベースとした新しい概念及びライブラリ、UWP(Universal Windows Platform)を発表しました。
このUWPを利用して作成されたアプリケーションは、Windows 10、及びWindows 10 Mobile の両方で動作が可能です。少し話題になりましたが、Windows 10 Mobile は専用のアクセサリを利用すれば、スマホをPCの様に利用することが出来ます。
狙ったこととしては、「One Windows」
Windows 10、Windows 10 Mobile、Xboxなど、MicrosoftのOSファミリー全てで動作可能なアプリケーションの実現を目指しました。
しかし、これはUWPでアプリケーションが実装されての話。今の所、私の周りではUWP、いやそれ以前にWPFに手を出してまで開発を行ったと言う事例を多くは聞きません。
つまり、UWPの概念の浸透、及び利用例が少ない。つまりアプリケーションが作成されていない。
これには、しばらく時間がかかるかも知れません。何しろ今まで必要に迫られていませんから。それに、システムとしてもPCだけで動作するシステムと割りきってしまうと、WindowsFormsで開発してしまうのも手だからです。スマホに対応させる必要は無い。
だって、スマホはAndroidだし。その場合は、Javaで組むから良いよってね。
今現在の私の周りを見る限りでは、まだコンピュータの世界とスマホの世界は分断されている感じがしますね。コンピュータはデータバンクとして利用されており、各スマホはJavaでアプリを開発して、コンピュータにデータ参照をしに行く。コンピュータの側もJavaで書いちゃえば、Javaを学習すれば良い。
そうですね。そう考えると、既にJavaによってプログラム言語という枠では「One Windows」のような「One Java」に近い環境は実現されていると言えるでしょう。
その意味でも、Microsoftの戦略は遅かったということです。
私が「Windows 10 Mobile」を見切った理由
これらのことを踏まえても、Nokiaの美しさは他のスマホを圧倒していました。(個人的にはね。)
なので、この格好良さに惹かれて、私は今までWindowsPhoneを我慢して使ってきたのです。
OSとしてもそれほど悪くはなかった。
しかし、Nokia の LumiaブランドはMicrosoftが買収することになりました。
すると、一気にダサくなりました。
ハイエンドモデルのはずなのに、このダサさです。
やってられません。
並べましょうか?
Lumia 925
Nokiaの最後のLumiaとなった、Lumia 930 はこんな感じです。
Lumia 930
Microsoft Lumia 950
マジで、Microsoftになってからがダサい!!
もうこれで完全に買う気が失せました。
こりゃだめだ・・・普及する気がしない・・・
Microsoftもスマホにあまり関心なし?
なんとMicrosoftは、2016年は、Windows 10 Mobile に対してリソースをそれほど多くは割かないと自ら名言しました。
つまり、この部分で大きくアップデート等の強化はなされないということです。
また、WindowsPhoneの魅力は、SNSとのOSレベルでの統合が目玉でした。連絡帳を開いて、横にスライドすれば、twitterもFacebookもまとめて全部見れるし、返信も出来る。
しかし、FacebookのAPI仕様変更(個人情報の保護に関しての規約変更)により、この機能はFacebookが離脱した格好になりました。
つまり、特徴の一つが無くなってしまったのです。
そうなれば、Androidで、twitterとFacebookのアプリを立ち上げるのと何の差があるんだい?
そう思うようになったんです。
最後に
マイナーなうちから目をつけ、昔から応援して、それが育っていく過程を見ているのは楽しい。
そして、それを購入して応援してると、もっと愛着が湧く。
しかしながら、マイナーであるからこそ、それが淘汰されていく可能性は大です。しかし、普及していく過程が見られれば「やったぁ!」って気持ちにもなります。「前から目を付けてたんだよね〜♪」って(笑)
でも、どんなに良い機能やポイントを持っていたとしても、戦略が正しくなければ、押し切られて消えてしまう。
初期の頃は、WindowsPhoneがかなり出来が良く、また必死に普及させようと言う意欲があったので、ファンになって応援していました。
しかしながら、今は半分は白旗を振っている状態。
こうなっていくと、悲しい気持ちでいっぱいです。
なんだかなぁ・・・
もうちょい、踏ん張ってくれていれば、まだまだファンを続けていたんだけどな。
そこまで金銭的に余裕もないし、だから私は格安スマホのSAMURAI 麗(REI)としばらく戯れておくよ(笑)
BlackBerryもMotorolaも、栄光は過去のものとなってしまいました。
一歩戦略を間違うと、ガクンとシェアを落とす時代です。マイナーの部類にいつでも転落してしまう。
あんなに格好いい機種だったのに!ってのが居なくなってしまうのは悲しいですねぇ。
追記
この後、MicrosoftはWindowsMobileから撤退する方向に動き出す可能性が濃厚になってきました。