楽しく購読させていただいている方の以下の記事を読んでいました。
この考え方は新鮮で、これはこれで面白いと思いましたね。
「言葉」に縛られることで、思考が鈍る可能性がある。確かにそうです。
自分が、朝の占いを見ないのと同じかな?(笑)
さて、私には実は幾つか大切にしている言葉があります。
座右の銘とまではいかなくても、私の基本的な行動原理と技術者として指針にしているものです。
リーダー論
私は基本的にリーダー向きの性格ではありません。
実は、サブリーダ等のリーダーの補佐的な役割が一番しっくり来ると思っています。
強いリーダーシップの元、組織は動き始めますが、その動きに乱れや不満が出る場合がある。
その部分を補佐し、引き締める。
それが私の得意な分野であると自己分析しています。
リーダーとはある意味では、説明のつかないカリスマ性が必要だったりします。
言っていることはメチャクチャなのに、何故か惹かれてしまう。
実はアンポンタンな事しか言っていないのに、その人間性に魅力を感じ付いて行く。
それは生まれ持ったリーダセンスであり、私には存在しません。
私は、戦略的、及び精神的な補佐、つまり参謀と言うのがしっくりくるのです。
私自身、自分の人間性に魅力を感じませんから。
ちょっと自虐的になりましたね(笑)
まぁ、それは置いといて、No.2の役割がしっくりくるのです。(それでも、リーダを求められることは多いのですが・・・最近は、あまり気乗りしません(汗))
行動指針
そうやってNo.2の役割とは、結局の所、人間関係の修復や仕事効率の全体の最適化などが役割となります。
リーダが打ち出す方針に対し、それをメンバに認識齟齬がないように伝える。
不満がある場合には、どうしてそれが必要な行動なのかをメンバに説得する。
逆もあり得ます。メンバからの不満を吸い上げ、リーダと議論するなどです。(結局、仕事もこういうことになるんだよね・・・)
ちょっと愚痴っぽくなりますが、この役割を担う人がいないのです。
リーダとメンバに完全に別れた状態になるために、組織の崩壊が始まると止められなくなります。
日頃から、リーダとメンバ間の風通しを良くするために、サブリーダ(No.2)が動きまわらなければなりません。
それが分かっていない人が多い。
このポジションは、非常に利他的な役割です。自己犠牲的と言ったら良いでしょうか。
しかし、このポジションが存在するかどうかで組織の柔軟性、まとまり方は大きく変わると思っています。(恐らく、このポジションの人間は貴重な存在なため、重宝され精神的に摩耗されるのだと、最近分かりました。)
さて、行動指針の話に戻りましょう。
私の基本的な行動原則は、アキラさん(id:dynamite05015555)の記事に載せられていた、山本五十六の言葉です。
やってみせ
座右の銘・・・そんなモノは持ってない - 夜と朝のあいだ
言って聞かせて
させてみせ
ほめてやらねば
人は動かじ。
確かにこれが通用しない相手もいます。
しかしながら、最初のアプローチとしてはこれを原則としています。
特に、若い子達は自分の仕事に自信がない。何しろ経験がないですからね。試行錯誤です。
だから、「君がやってくれたことは、とっても大事なことだ!助かっているよ!」とどんな小さな仕事でも言うようにしています。
「変におだてやがって」って思うなら、それでもいいのです。
褒められて嬉しくない人はいないですから。
そして、仕事を渡すときには、最終的なイメージを持たせて預けます。時には、考えてもらうために「?」を残したりしますがね。
しかし、聞いてきたり、こんな風にしたい、と悩んでいた時には意地悪はしません。「こういうアプローチはどうだい?」と誘導してあげます。
そして、この山本五十六の言葉は日頃の自分自身の行動の基準にもなります。
自分の背中を見て、メンバはどう思うだろうか。
私がだらしなく、手を抜いたりしたら、メンバはそういう部分を覚えてしまう。
自分を律する。その為にも必要な言葉です。
技術者論
私も一応は、技術者の端くれと思っています。
どうしてもコーディングの機会は減ってしまいSEはPG(プログラマ)と比べると、技術的知識の深さでは太刀打ちできません。しかし、PGとの意思疎通はとれないといけませんからね。
自分自身でテストプログラムを組んでみたりして、報告内容が正しいか状況確認したりしますし、日頃から出来るだけ浅く広くはアンテナを張り巡らせてIT技術の動向はウォッチしています。
我々SEという仕事は、建築業界の建築士に非常に似ています。
SEという仕事は、日本特有の職業です。これは、私が海外PJを経験して、海外のPJ体制が大きく異なると感じたことからも分かっています。
しかしながら、現状のSIerとは、SEがオールランダーとして動かなければならない実情があります。
これに関しては、SEという仕事よりも、システム開発方法論や組織体制の話になりますから、今回は割愛しましょう。
設計思想
私が大事にしている言葉は、丹下健三の言葉です。
丹下健三とは、近代日本の建築家として世界的にも有名な人物です。
東京大学の名誉教授でもありました。
数多くの建築物を残しています。
- 東京都庁
- フジテレビ
- 広島平和記念資料館 などなど
その中でも、一番魅力的なのは個人的に代々木体育館だと思っています。
まさしく美しさを追求した結果の形を成しています。そして、それによって内部の音の通りは良く、非常に利用しやすい体育館となりました。
彼の言葉にこういう物があります。
機能的なものが美しいのではない。
美しきもののみ機能的である。
それが、彼の考え方であり、目指す設計思想であったのです。
機能的な、所謂オプションを後付のようにゴテゴテと付けていくのではなく、美しさを求める中で自然と使いやすさは伴う。それが結果的に、利用者の利益になる。
そのように私は解釈しています。
ですから、私もシステムの設計を行う中で、設計結果に納得いかなくなる時があります。
「これは美しくない。」
時間が許す限り、美しさを求めます。コーディングも同様です。その中に「美しさが」が伴っているか。
それが私の技術者としての基準です。
これは、結果的に機能改修やメンテナンスの時に重要になってきます。
どのようなコンセプトの元に設計されたのか、それに一貫性がないと、他人には理解が出来ません。
数年後にシステムの機能改修や追加を行うとき困るのです。そうですね・・・それは「絵」に加筆するのと似ているかも知れません。
その人の設計意図、つまり「絵」の構図や描いた背景が分からなければ、適切にその「絵」を拡張出来ません。
全く違うテイストの「絵」を書き込んでしまいます。
また、設計が最初からゴテゴテした状態であるなら、コーディング以降も無理がある状態になります。
修正したくても、無理やり動かしているので、自分の修正がどこまで影響を及ぼすのかの調査にも時間がかかってしまうのです。
ですから、この「美を求める」ことは技術者としての最も大事な事だと思っています。
最後に
皆さんにも、指針や自分を構成する大切な言葉がありますか?
もしくはない!ってパターンの人もいるかも知れません。
私はこういった話題が大好きです。
飲んでいても、つい熱くこういった話で盛り上がってしまいます。
珍しいパターンかもしれない(汗)
でも、その人が何で構成されているのか、そして何を信念としているか、それを知ることは本当に楽しいことです。
例え、己の価値観とぶつかるとしても、そこには新しい世界がある。
ひと晩中語り明かすこともありました。
そんな時間が私は好きなのです。