昨日、何気なくtwitterを検索していると、とてもおもしろい記事を見つけてしまった。
直ぐに読者になってしまいました。よろしくお願いします。m(_ _)m
さて、この記事によると、犯罪を未然に防ぐ、ロシア製の警備監視システムを日本にも導入しようか?と言った話が持ち上がっているとか・・・
どうやって検知をするんでしょうね?
警備監視システム
調べてみると、恐らくはこの警備監視システムを指していると思われる。
技術屋としては、そのアルゴリズムが気になる。
技術屋って、そういう所にすっごく熱中しちゃうのよ。
エンジニアを彼氏や夫に持つ、彼女&奥様方は大目に見てやってね☆
顔の表情から検出
凄く簡単に言うと、顔の表情が通常と異なる場合を検知するという仕組み。
動画は通常、毎秒30枚程度の画像から構成される。DEFENDER-Xでは画像1枚ごとに、撮影対象者の顔の皮膚や眼球、口元、まぶたなどがどれだけ動いたのかを検出。それぞれの振れ幅や振れる周期を基に、顔を「攻撃的」「緊張」などの50パターンに色分けする。各部位の色を分析し、精神状態を総合的に判断する。
以前から、顔を検出するという技術自体は研究されてきた。
有名なところで行くとNECなどは、これを長く研究してきた。
私が大学生の頃にも、NECで顔からの年齢推定のデモンストレーションを見せて頂いたことがある。ただ、私は15歳とか判断されたけど(;・∀・)
事前に犯罪を防ぐためのシステム、そして対象者の犯罪予期を数値化すると言うことに、ちょっとギョッとするかも知れないが、細かく見ていくとこれは顔の認識技術の進化系と言える。
- 画像の中から顔の検出を行う。
- 通常時の顔の表情筋の動きと同様であることを照合する
- 緊張、あるいは興奮状態にある人間の表情筋動作のパターンに合致した場合は警告を出す
恐らくは、このステップを踏んだシステムだと推測される。事前に顔の表情筋の動き(喜怒哀楽)に関してのパターンを学習させる必要がある。
つまりはAIを中枢に持ってくる必要があるだろう。あるいは、AIとも言わずとも、IBMが提唱する「コグニティブ・コンピューティング」と言ったパワーでデータ検索を押し切る形のシステムが必要だ。
何を言っているかというと、顔の形は人それぞれで違う。しかしながら、「人間の顔」の共通点を見出し、そしてその筋肉の動きを「感情」というパターンと紐付ける必要がある。そして、サンプル数が1名では話にならない。かなりの数の人間のデータパターンを保管しておき、学習させる必要があるということだ。
そうでなければ、顔の形が違うからとか、肌の色が違うから、なんて理由で全然照合が出来なくなる。システムとして成立しない。
NECでのデモンストレーションでも、恐らくはサンプル数が少なかったんだろう。私を15歳と判断してたし・・・(笑)
まぁ・・・まだ、あの頃は顔認証の技術は走りだした始めの頃だったからね。
こうやって、順を追って確認していくと、要は挙動不審な人を警備員が見つけるように、それをカメラを通してシステムが自動で同じことを行うということだ。
こう言い換えると、少し安心すると思う。
勝手に、お前は犯罪予備軍だ!と言われて、逮捕なんてことはなさそうだ。
ひなたさん(冒頭の記事を書かれた方)が心配している、「PSYCHO-PASS(サイコパス)の世界」には、まだ技術的には追いついていないみたい。
ちょっと安心するし、ちょっとがっかりかな?(笑)
人と機械の融合
SFの世界が現実になったと思うものの一つに、人と機械の融合がある。
実は、かなり昔に人と機械の融合について実験が行われていることは聞いたことがあった。
どこがやっているか?もちろん、DARPA(国防高等研究計画局)だ。(あいつら何でもやるからなぁ・・・苦笑)
米国の軍事研究機関のことである。
このプロジェクトは、負傷兵の義手及び義足等の研究開発のプロジェクトだった。
実際に動作可能になってきている
http://business.newsln.jp/news/201509150008570000.html
「DARPAの発表内容」
Neurotechnology Provides Near-Natural Sense of Touch
自分はNHKの特集で実際の物を見ることが出来た。その映像は、自分が大学生ぐらいの時だから10年とは言わないけど、結構な昔だ。(ただし、DARPAの研究の物だったかはちょっと記憶が曖昧。)
この記事は、2015年の記事なので、更に自由度が増した(精度が向上した)ということなのかも知れない。
普通、人は腕や足を動かす際には、脳から神経を通して電気信号をそれらの器官に送る。
すると、それを筋肉は受け取って、その電気信号に反応して伸縮を行うのだ。結果的に、手足が動くことになる。
さて、単純に考えれば、手足が負傷して失われた場合でも、脳からの手足を動かす電気信号を伝達する神経は、途中までは残っている。ここに着目した。
例えば、腕の義手の場合、胸の筋肉にある神経に送られる電気信号を受信し、それを義手に対して動作させる信号に変換する。
すると、脳で思う動きと同じように動作し、あたかも自分の手を動かしているように出来ると考えたのだ。
そして、実際に動作させることに成功した。
最終的な目標は?
これについては、非常に難しいことになるだろう。
ある意味では人を助けることになる。戦闘により手足を負傷したとしても、脳さえ残っていれば、義手により生活を送ることが可能となる。
ただし、ちょっと欲を出して、負傷しても大丈夫と思うようになったら?
あるいは、意図的に人間の筋肉以上の能力を持たせた義手や義足に、取り替えてしまったら?
こうなってくると、結果的にサイボーグになったではなく、最初からサイボーグを作るという動きになりかねない。
正に、「攻殻機動隊」の世界に入りつつある。
因みに、「攻殻機動隊」の世界では、脳を脳殻と言うユニットに入れて保護し、体は義体化(サイボーグ化)するということが可能な世界ということになっている。
NHKの特集では、研究している博士によると「人間の寿命は限りなく永遠になる」と断言していた。
目指している方向性としては、この「攻殻機動隊」の世界と本当に同一で、脳さえ守ることが出来れば、体は機械パーツのメンテナンスや交換で存続が可能であるとの見解を示していた。
ただ、「限りなく永遠になる」と言って、「不老不死」と言わなかったのは、事故による死の確率があるからだと述べていた。
この番組を見ながら、ちょっとこの人はマッドサイエンティスト系の人じゃね?と思ってしまったのは内緒である。
人と機械はどこまで近づくか
最初の話は、機械(システム)による人の監視及び管理について。
2つ目の話は、人が機械に融合することについての話だった。
着実に、人と機械(システムを含む)は、互いに距離が近づいてきている。
だからなんだと言われればそれまでなのだが、昔から引っかかることがある。
それは、「人と機械の差は何か?」というものだ。
これは、私が大学に入り情報工学を学んでから、増々思うことだ。
人と機械。その差は何か。
「攻殻機動隊」の話で、とある有名なセリフがある。
あなた達のDNAもまた自己保存の為のプログラムに過ぎない。
生命とは情報の流れの中に生まれた結節点のようなものだ
種として生命は遺伝子としての記憶システムを持ち、人はただ記憶によって個人たる。
たとえ記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ。
コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にした時、あなた達はその意味をもっと真剣に考えるべきだった。
このストーリーは、「人形使い」という犯罪者が、電脳(脳殻)をハックし犯罪を起こすというもので、実は犯罪者はAIであったという結末だ。
そして、AIはプログラムとしてネットの中を渡り歩き、一つのロボットの義体に入り込んで、公安9課(攻殻機動隊)に亡命を申し入れた。
自らを「新しい生命体」であると主張したためだ。
メンバーである、バトーは生命体だと主張する「人形使い」を否定するが、彼はある言葉を述べる。
それを証明することは不可能だ。
現代の科学は、未だに生命を定義する事が出来ないのだから
さて、誤解を招かないために、一応補足をしようと思う。
現段階のAI技術は、感情というものを持っていない。感情と称して表情筋を模倣することは出来たりするが、AI自身が何かを感じ取ることは現段階ではあり得ない。だから、この「人形使い」の発言は、現代のAIには当てはまらないし、該当することもない。
ただし、ある疑問だけは残す。
人の行動は脳からの指令である。一種のプログラムだ。これを毎日のように取捨選択し、実行している。その行動を取るための基準値を、自分のどこかで持っている。そして、それに基づいて判断を下す。
では、ある閾値を持って行動の取捨選択を行うということをAIが獲得するならば、人との差は何が残っているのだろうか。因みに、この取捨選択についてはAIは獲得しつつある。
最後の砦は、感情なのだろうか?
では、感情とは本当にプログラムでの実装は不可能なのだろうか?そもそも、感情とはどのように発生するものなのだろう。
人を人たらしめる定義とは何か。
公安9課のリーダ、草薙素子は己が人間だと言うことを意識して述べる言葉がある。
「そう囁くのよ・・・私のゴーストが 」
「GHOST IN THE SHELL」それが、このアニメや漫画のテーマだ。
人と機械の違いは「GHOST」があるか無いかであると。その「GHOST」を貴方は何と定義するだろうか。