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昔、結構話題になってましたよね。実は見たことなかったんです。
それに最近アニメ化されて、それは毎週見てました。ということで、実写版はどうなの?って思って見てみました。
概要
片瀬高校1年の月本誠は、笑わないことから「スマイル」と呼ばれていた。同級生の星野裕は「ペコ」と呼ばれている。
スマイルは昔、ペコに卓球を教わり、それからずっと2人でタムラ卓球場で打ち合う仲だった。
ペコの夢は「世界で一等賞」になること。ペコはセンスだけで卓球をしており、部活に顔を出すこともあまりなかった。
それに比べ、スマイルは日々淡々と部活で卓球を続けていた。しかし、スマイルには勝利への執着がなく、相手の気迫に圧され相手に合わせて手を抜く癖がついてしまっていた。
中国からのエリート留学生が日本の高校に来ていることを聞いたペコ。スマイルを誘い、部活を抜けて偵察に向かうが、体育館には誰もいなかった。
そこでペコとスマイルは卓球のラリーを始めるが、留学生(通称:チャイナ)にそれを見られてしまい、更にはスマイルが手を抜いていることを見抜かれる。また、ペコは留学生に試合を挑むが1点も奪えず完敗する。
片瀬高校の卓球コーチ、小泉丈はスマイルに才能があることが分かっていた。しかしそれと同時に、スマイルに勝つ執念がないことも見抜いていた。そのため、彼の才能を開花させるためスマイルにつきまとうようになる。
それを嫌がったスマイルは、インターハイ予選でチャイナに勝った場合はこれ以上付きまとわないこと、そして負けた場合、コーチの練習メニューに強制的に付き合うことを約束する。
その年のインターハイ予選では、スマイルとペコは順調に勝ち進むが、スマイルはチャイナに敗戦。また、ペコは幼なじみの佐久間学(通称:アクマ)に屈辱的な負け方をする。
約束を通してスマイルはコーチによって、徐々に卓球に対する態度を変化させていくが、ペコは負けたことにより卓球から一度は足を洗うことを決意する。
しかし、アクマに説得され、自分が卓球が好きなことをもう一度思い出す。
スマイルは待っていた。自分のヒーローが現れることを。
そして、憧れだったヒーローであるペコが復活することをずっと待っていた。
卓球を通して、彼らの青春の時間を描く。
感想(ネタバレあり)
これは、アニメを先に見てしまったのが失敗だった!!
恐らくは、当時の評判としては良かったのだと思う。でも、アニメ化され時間が十分にある中で、丁寧に内容が作りこまれたため、実写版を見ると、「あれ?それ設定ちがくないか?」というところや、かなり強引なところがあるのだ。
まず、ポイントになるところはスマイルが卓球に対する態度を変化させていく過程だ。
スマイルは他人を蹴落としてまで勝利するということが理解しがたいと言う。
しかし、コーチとしてはセンスがある者だけが見渡せる景色を見せてあげたいという、ただその気持ちだけで彼を強くしたいと思っているのだ。
そこで、練習を強要する賭けに出るのだが、実写版ではインターハイ予選の試合を利用して、アニメ版では実際にコーチと試合を行って勝敗を決める。
そして、アニメ版ではスマイルが勝利するのだ。
しかし、コーチが歳なせいで倒れてしまう。そのため、スマイルはお見舞いに行ったりして、コーチがなぜそこまでして卓球にこだわるのかという部分に徐々に触れていくのだ。
つまり、コーチとスマイルとの微妙な関係や信頼が徐々に強くなっていくところが、ひとつの見どころだと思っている。
だが、実写版は尺が無いせいか、強制的に練習を行わせるという単純なスポ根映画化してしまっているのだ。
このピンポンという漫画は(原作を読めてないけど)、単純なスポ根とは違うスポーツ漫画だった。
各々の選手の背景、卓球をする意味、彼らに課せられた重圧を描いていた。
チャイナはなぜ日本で勝たなければならなかったのか。
ドラゴン(風間)はなぜ勝ち続けなければならなかったのか。
スマイルは何を待ち続けていたのか。
ペコはもう一度卓球をしたいとなぜ思ったのか。
そんな、彼らの若く苦く、そして一生懸命に生きているその生き様が心に響く作品だった。(少なくともアニメ版ではそう思っていた。)
という訳で、今になっての後出しジャンケンな感じはあるのだけれども、アニメ版が圧勝だと思います。
どちらかを推薦するなら、アニメ版を強くお勧めいたします。
ピンポン The Animation
絵柄が好き嫌い別れると思いますけど、内容としては本当に厚いです。
単純に見ているだけでは分からないことが多かったりします。
特に、スマイルは顔に出さないため、彼のとる行動から何を考え、何を求めてさまよっているのかを推察する必要があります。
そういう意味でも、コーチからの視点で彼らを見ることが出来ると思います。
「先に行くよ。ペコ」
「遅いよ。ペコ」
「そう言うな。これでも、すっ飛ばしてきたんだぜ。」
最期に、この言葉の意味の重さが分かり、きっと感動するでしょう。
では、adios!!