参照:アルファロメオ・ザウバー C37 : 主要諸元&スペック 【 F1-Gate.com 】
- RENAULT SPORT FORMULA ONE TEAM(ルノー)
- SAHARA FORCE INDIA F1 TEAM(フォース・インディア)
- ALFA ROMEO SAUBER F1 TEAM(ザウバー)
- 最後に
前回は、ハース、マクラーレン、メルセデス、レッドブルをご紹介しました。
2018年に出走するチームは以下の通りです。
ドライバー | チーム名 | シャシー名 | PU名 |
---|---|---|---|
ロマン・グロージャン ケビン・マグヌッセン |
HAAS F1 TEAM |
HAAS | フェラーリ |
フェルナンド・アロンソ ストフェル・バンドーン |
MCLAREN F1 TEAM |
MACLAREN | ルノー |
ルイス・ハミルトン バルテリ・ボッタス |
MERCEDES AMG PETRONAS MOTORSPORT |
MERCEDES | メルセデス |
ダニエル・リカルド マックス・フェルスタッペン |
ASTON MARTIN RED BULL RACING |
RED BULL RACING | タグ・ホイヤー |
ニコ・ヒュルケンベルグ カルロス・サインツ・ジュニア |
RENAULT SPORT FORMULA ONE TEAM |
RENAULT | ルノー |
セルジオ・ペレス エステバン・オコン |
SAHARA FORCE INDIA F1 TEAM |
FORCE INDIA | メルセデス |
マーカス・エリクソン シャルル・ルクレール |
ALFA ROMEO SAUBER F1 TEAM |
SAUBER | フェラーリ |
セバスチャン・ベッテル キミ・ライコネン |
SCADERIA FERRARI |
FERRARI | フェラーリ |
ピエール・ガスリー ブレンドン・ハートレー |
RED BULL TORO ROSSO HONDA |
SCUDERIA TORO ROSSO |
ホンダ |
ランス・ストロール セルゲイ・シトロキン |
WILLIAMS MARTINI RACING |
WILLIAMS | メルセデス |
今回は、ルノー、フォース・インディア、ザウバーをご紹介しましょう!
RENAULT SPORT FORMULA ONE TEAM(ルノー)
レッドブルにPUを供給することによって、ルノーはF1に存続していました。
しかし、レギュレーションが変更になり、新しいアプローチのPUを開発しなければならなくなりました。
この時に、ルノーは開発が思うように行かず、レッドブルから再三「信頼性」について責められることになります。
最後には、互いに名指しで罵倒し合うまでに。
2016年。嫌気が差したルノーは、「LOTUS」(ロータス)という老舗のチームを買収することにより、F1にワークスチームとして戻ってきました。
2016年は、ロータスが用意してたシャシーに無理やり自分たちのPUを載せた為、チグハグなセッティングに。
2017年には、シャシーから自分たちで設計を行い、自分たちの思うマシンに仕上げ始めました。
ルノーはワークスチームとして復帰する際に、フォーミュラEで指揮をとっていた元F1チャンピオンである、アラン・プロストを呼び戻します。
プロストの指揮のもと、ルノーは3強に挑みます。
プロストは現実的に物事を判断し、チャンピオンを勝ち取るマシンに仕上がるには少なくとも3年はかかると宣言していました。
今年は、その3年目。どれほどのポテンシャルを出せるのか?!
R.S.18
参照:ルノーF1、2018年F1マシン『R.S.18』を発表 【 F1-Gate.com 】
ロータスはブラックで固めたカラーリングでした。
ルノーのブランドカラーはイエロー。
ブラックをベースとし、上部を鮮やかなイエローでペイントしています。
そして、何より「日産&ルノー」を象徴しているのは、日産の高級車ブランド「INFINITY」のロゴを入れているところ。
カルロス・ゴーン氏より、「F1での成功を全面的にバックアップする」と保証を受け、大企業のパワーで開発を進めています。
美しいサイドポッドが印象的ですが、入り口をかなりタイトに絞ってあります。
マクラーレンの「焦げ付き問題」が発生するなか、PUの冷却が上手くいくのか?
ルノー製PUは、レッドブル、マクラーレン、ルノーの3チームで使用されます。
それぞれが、シャシーの開発アプローチが異なるため、ルノー製PUを誰よりも理解しているはずのルノーは、シャシーに対してPUによるダメージは与えたくないはずです。
マクラーレンは置いておくとして・・・ルノー製PUを上手く使うのは、レッドブルなのか。ルノーなのか。
より使用数制限がシビアになった今年は、シャシーがルノー製PUの信頼性をどこまで高められるか。
そこが分かれ目になっていくでしょう。
ルノーが狙うのは、中団でのトップ。いつかはレッドブルを倒したいところですが、今は堅実にコンストラクターズランキングで4位を目指すでしょう。
ドライバー
参照:カルロス・サインツ 「ニコ・ヒュルケンベルグの経験は大きな利益になる」 【 F1-Gate.com 】
- ニコ・ヒュルケンベルグ(右側)
- カルロス・サインツ・Jr(左側)
ヒュルケンベルグは、F1の世界で年齢的に中堅に位置するドライバー。
マシンポテンシャルの問題もありますが、チャンピオン候補に挙げられるか?と言われると、そこまではない感じ。
しかし、着実に安定した走りを行います。
昨年途中からタッグを組んでいるのは、カルロス・サインツ・Jr
サインツは、トロ・ロッソでF1デビューを果たした若手のドライバーです。
しかし、ルノーとレッドブルがPUの問題で様々にこじれて、事態を収拾させる条件としてルノーが提示したのは「サインツをルノーにレンタル移籍させる」こと。
昨年のシーズン途中から、ルノーのドライバーとして走っています。それほど、ルノーはサインツを高く評価していると言うことです。
サインツはトロ・ロッソ時代に、フェルスタッペンと比較されることが多かったのですが、華々しい印象を残すフェルスタッペンの影で、コツコツと実力を磨いていました。
しかし、とばっちりを受けるのはトロ・ロッソ。
レッドブルにフェルスタッペンを抜き取られるわ、サインツまでルノーに取られるわ、もう散々。
昨年は、トロ・ロッソとポジションを争っていたので、ルノーにとってはポイントゲッターのサインツを得られて願ったり叶ったり。
ただ、サインツはあくまで「レンタル」なので、いつレッドブルに「返せ!」と言われるか分かりません。
本人は、レッドブルに戻ることはあまり考えていないようです。
二人の関係性は良好。
互いに良い刺激を受けているようです。
SAHARA FORCE INDIA F1 TEAM(フォース・インディア)
多くのチームが欧州に国籍を置いているのに対し、名前の通りインド国籍という異色のチーム。
元はスパイカーというチームがあり、それを買収することで参戦したチームです。
スパイカーは辿るともっと遡れるのですが、フォース・インディアとして見た場合では、若いチームと言えるでしょう。
しかし、実力は意外とあり、昨年のコンストラクターズランキングでは、5位のウィリアムズの2倍以上のポイントを勝ち取って堂々の4位。
中団の中ではコンスタンスに、成績を残し続けています。
VJM11
参照:フォース・インディア、開幕戦前のチーム名変更を示唆 【 F1-Gate.com 】
レッドブルもシャシーが独特であることで有名ですが、フォース・インディアも負けず劣らずのチャレンジングなシャシーを設計して驚かせました。
フォース・インディアを象徴するのはノーズ部分。ノーズとは、前輪からフロントウイングをつなぐ部分です。
コブラノーズ(鼻孔ノーズ)と呼ばれるノーズを採用していることで有名です。
他が先に突起が付いたノーズを採用する中、フォース・インディアは大きく2つの空間を作り、そこに風の流れを引き込むという設計をしています。
参照:フォース・インディア、リッチエナジーとの売却交渉はまだ進行中? 【 F1-Gate.com 】
このコブラノーズ(もちろん、他の部分もしっかりと作り上げている)と、メルセデスの堅牢なPUによって、シーズンを通して大きなトラブル無しで4位を安定的に確保しています。
上手く行くと表彰台にあがれることも?!
ただ寂しいのは、今年の開幕前のバルセロナ・テストでは、大きく話題にはなりませんでした。
速さにおいても、目立つ様子もなし。
段々と、中団の中での優位性が揺らぎ始めているか?
カラーリングはピンクなので、見つけやすいですね!
ドライバー
参照:エステバン・オコン 「ペレスとの関係についてメルセデスに助言を求めた」 【 F1-Gate.com 】
- エステバン・オコン(右側)
- セルジオ・ペレス(左側)
オコンは若手のドライバー。フェルスタッペンのライバルでもありました。
そしてメルセデスの育成ドライバーであり、フォース・インディアに貸し出している状態です。
セルジオ・ペレスは中堅クラスのドライバーですが、かなり攻めるドライビングをします。
オコンも負けじと若さによる、グイグイ行くドライビングをするわけで、ペレスとオコンが衝突!なんてことも多々。
オコンは「ペレスは僕を殺そうとしてる!」とまで言い放ち、二人の関係は悪化。
マシンが安定しているが故に、ペレスとオコンが前と後ろで連なって走ることが多く、レース中の追い抜く対象は同じチームドライバーという状態。
更に、二人でグイグイ攻めるので、ぶつかって片方は離脱とか、両方ともマシンがお釈迦なんてことも。
あまりに二人で喧嘩をするので、チームオーダーで「追い抜くな!」などと強制命令が出たり・・・
今年は、「同士討ち」の頻度が下がるのか?
と言うよりも、同士討ちなんてしている間に、ルノー、トロ・ロッソ、挙げ句にはマクラーレンも追いついてきちゃう!なんて展開が待っているかも。
ALFA ROMEO SAUBER F1 TEAM(ザウバー)
資金不足に悩み続けていたザウバー。共に資金不足仲間だったロータスは、ルノーに買収されることに・・・
さて、ザウバーどうする?!
となっていたのですが、マクラーレンが「ねぇ。ホンダのPU使わない?」と持ち寄って来たのです。
ザウバーとしては、ワークスチームになればPUに莫大な資金を払って購入する必要がなくなります。
「ザウバー・ホンダ」誕生か?と言われ、サインの一歩手前になったとき・・・
スポンサーとして名乗りを挙げたのは「ロングボウ・ファイナンス」
資金提供をザウバーに行い、経営危機を回避出来ることに。
よって、即刻ホンダ製PUを使うことを拒否すると言い放ち、挙げ句にはそれまでザウバーを守り続けたモニシャ・カルテンボーンを解雇しました。
ルノーからフレデリック・ヴァスールを引き抜き、彼をチームリーダーに据えます。
(ホンダ製PUの選択を拒否したのは彼だった。)
モニシャ・カルテンボーンは女性で、その点でも特異な存在だったザウバー。なんとも悲しいことです。
さて、資金については目処が立ち、ザウバーはフェラーリに急接近。
そして、「アルファロメオ」をF1に復活させたいと考えていたフェラーリと方向性が合致し、「アルファロメオ・ザウバー」として闘うことになりました。
あくまでザウバーとして独立したチームを貫き通したかった、モニシャ・カルテンボーン。
しかし、ザウバーはフェラーリのBチームとして存続する道を選びました。
C37
参照:【画像】 アルファロメオ・ザウバー C37 シェイクダウン 画像 | F1-Gate.com
しっかりと「アルファロメオ」のカラーリングになっています。
そして、フェラーリから多くの技術提供を受けました。
PUはフェラーリ製。ギアボックスもフェラーリ製。
では、シャシーもフェラーリに寄せてくるかと思いきや・・・
なんと独自路線を行きました。
その大きな違いは、サイドポッドの部分。
フェラーリはサイドポッドの入り口を高い位置に持ってきて、空気を取り込むというタイプ。
多くのチームはこれに準じています。
しかし、ザウバーはサイドポッドの入り口を縦に大きく開け、全くフェラーリのシャシーの形状とは異なる道を突き進みました。
カラーリングや、そのスポーティーな美しさで言えば、メルセデスやフェラーリに匹敵する美しさでしょう。
美しさは・・・良いのですが、速さが出ない。
バルセロナ・テストの結果を見ても、中団の仲間入りは難しいという予想がされています。
まだテストであるので、最大出力の状態を見ているわけではありませんが、他のチームとの差が開きすぎている状態です。
独自路線が凶と出てしまったか。
ハースはフェラーリに近いシャシー形状にしています。
ハースもフェラーリから技術提供を受けていますが、Bチームとして扱われることは拒否。
あくまでも、ビジネス的なパートナーとなっています。
ザウバーはより密接な関係をもっているため、打倒ハース!なのですが・・・
とりあえず、開幕前の感想としては、「う・・・うん。とってもセクシーなマシンだね!」という感じでしょうか。
念願の最下位脱出は叶うのか・・・?
ドライバー
参照:アルファロメオ・ザウバー、2018年のF1レーシングスーツを公開 【 F1-Gate.com 】
- シャルル・ルクレール(右側)
- マーカス・エリクソン(左側)
シャルル・ルクレールはフェラーリの育成ドライバー。F1は初参戦です。
ここからも、フェラーリが強力にザウバーをバックアップしていることが分かります。
マーカス・エリクソンですが、スポンサーであるロングボウ・ファイナンスとのつながりが強い為に残留になったのでは?と言われています。
なにしろ、昨年のザウバーが獲得したポイントは5ポイント。
しかも、その5ポイントを獲得したのは、パスカル・ウェーレンと言うメルセデスの育成ドライバーだったのです。
つまり、はっきり言ってエリクソンは新人より遅い。
なのに、エリクソンを残し、ウェーレンを解雇しました。
これには、前任のチームリーダーであるカルテンボーンも激怒。ありえない決定だと非難しています。
因みに、私も同意見です。
ここは、新人のルクレールを期待しましょう。
ルクレールがエリクソンをボコボコのフルボッコにするなんてことになったら、今度はルクレールが解雇されるんでしょうか?
でも、アルファロメオと提携してるからそんなことは出来ないし・・・
このまま行くとエリクソンは残留できても、周りのF1ファンから白い目で見られる可能性大。
なんとしても、ルクレールより上でフィニッシュしなければなりません。
(気にしないなら気にしないでもいいけど、周回遅れになって邪魔するのはやめてね☆)
最後に
今回は、ルノー、フォース・インディア、ザウバーを紹介しました。
この中で楽しみなのは、ルノーかな!
中団の中でも圧倒的に差をつけて勝っていたフォース・インディア。
これにルノーは食らいつき、そして飲み込むことが出来るのか?!
そろそろ成果を出さないと、ルノーのワークスチームとしての評価も徐々に厳しくなってくるでしょう。
上位3強も楽しみですが、中団の争いは激化することが予想されます。それも楽しみですね!
コンストラクターズランキング4位がポイントになってきそうです。
では、今回はこの辺で。
adios!!