※イラスト:ことこと (id:cotocotocoto)
こんばんは!! Milkです!
懐かしボカロのお時間ですよ!
ラジオの収録も一段落したみたい。
前はノイズが酷かったからねぇ・・・
目も当てられないよ・・・
よく楽師を名のれるわね。
僕もそうおも・・・
うるさーい!!
今度、放送する分はまだマシになってるもん!!(´;ω;`)
分かったわよー。ほら「懐かしボカロ」に行くわよ!
サンドリヨン(Cendrillon)
高音部分はミクに任せる状態にしてるんだね。
そうね。バランスが絶妙よね。
イラストは中世風だけど、シンセサイザーは綺麗に今風の構成になってるんだね。
今風とは言っても、90年代のシンセの匂いがするわね。
互いに得意な音域で補う形で作曲された曲。
それが「サンドリヨン」ですね。
聴いていて、本当に”美味しい”音域を互いに引き出して使っています。
だから、絡みあうコーラスが綺麗なんですね。
オケに関しては、90年代のシンセサイザーの構成の香りがしますね(笑)
この手が好みだという方も大勢いるでしょう。
最初のイントロや、サビに入る部分は、新し目のシンセサイザーやサンプリング音を入れていますが、サビになると90年代特有のシンセサイザーのサポートを入れながらの流れになります。
また、シンセの刻み方も、その頃に流行った仕方ですね。
新しい中で、どこか懐かしさを思い出させる曲です。
trick and treat
どちらにしても、いたずらしちゃうんだね。
and だもんね。
この子たちの相性はバッチリだね。
元のサンプリング音が同一人物ということもあるでしょうね。
この曲の面白いところは、ボーカルのボリュームは普通は一定に保とうとするのですが、これを意図的に操作しています。
それぞれのフレーズで、ボリュームを絞り、その後段々と大きくしていきます。
怪しさが倍増しますね。これって難しかったりするんですよ?
普通はコンプレッサーというエフェクターをかけます。音を均一化して、その後の工程であるマスタリング(音圧の増幅)をしやすくさせるためです。
ですから、そのまま気にせずコンプをかけると、せっかくボリュームを絞っても引き上げられて音が均一化されます。
これはコンプの機能が発動する条件を、あれこれと調整する必要があります。
また、highの成分が多いエレピやオルガンを使うことで、緊張感や怖さが増すようにしています。
この手のオルガンを使うと、無機質さが出てきて面白いですよね。
さーて。この2人に出会ってはいけませんよ?
お菓子をあげても、いたずらされちゃいますから・・・
可愛いいたずらでは済みそうではないですね。
「ねぇ。ちょうだい?」
番凩
年長組の楽曲だね。
本当に、KAITOとMEIKOは、ボカロマスターの色が出やすいわよね。
そうだね。同じKAITOとMEIKO?って疑う場合もあるよね。
逆に言うと、それほどのパラメータがあって自由度が高いけど、まともに調整するのが困難という、諸刃の剣ということよね。
さて、少し変わった楽曲で、和風テイストの曲です。
こういった和風のテイストの曲はとても珍しいですね。
恐らくは、使用できる楽器が制限されるというのもありますし、これに合う楽器をそもそも持っていないなど、いろんな問題が発生します。
やはり、デフォルトのシンセサイザーは、よく使われる楽器をメインで取り揃えていますから。
また、曲はbase、middle、highの3つで考えます。(私の場合は。)
baseとは、ドラムやベースの下支えを行う部分です。
middleとは、ボーカルをサポートする、或いは曲を印象づけるメインの音色になります。また音の厚みを決定づける部分でもあります。
highとは、曲をきらびやかにするために入れるスパイス的な要素の音色です。
大体は、これらを考えてオケを構成させます。
しかし、和風テイストの曲となれば、それぞれに何の楽器を当てはめるか・・・というのは、少々考えなければなりません。
音が細くならないように、聞くに耐える厚みを持たせなければなりませんが、あまりに重ねて豪華にすると、奥ゆかしさが失われます。
日本人って贅沢ですね(笑)
この曲は、bpmをアップさせる、そして転調を行うなど、どんどん展開を変えていって面白さを加えていますね。
RIP=RELEASE
一時期、ルカ姉さんはレン君と聞き分けができなくなった時期があったんだよね。
低音になると苦しい部分があったりしたからね。
上手く、EQで調整してあげれば、はっきりと彼女の得意な部分を抽出することが出来るんだろうね。
この曲では、middleの音域からhighを上手く使って、彼女の得意な音域で構成させてあげているわね。
サビのシンセサイザーの入れ方すると、これも90年代を思い出させるような構成ですね。
少し割れたシンセサイザーで、刻んであげる部分もそれっぽいです。
そして、ピアノが薄っすらと控えているので、Aメロも上品に仕上がっています。
ルカ姉さんは、少しざらついた声質をしています。若干ハスキーですね。
初音ミクや、鏡音リンとは、また違ったタイプの声色をしています。
ミクはアニメ声に寄っている感じはありますが、綺麗に歌い上げるタイプの曲が得意です。
リンはパワーが必要な曲に適しています。オケのボリュームを跳ね返す力があります。
ルカはその中間と言った感じでしょうか。落ち着いている印象をもった曲が多いですね。
ミク&リンで組み合わせると、highが強すぎる為に、ルカとのコンビを組ませることが多かったですね。
そうすると、ルカがmiddleを支えるので、ミクやリンがhighを伸びやかに歌えるのです。
今回はルカ一人ですけれども、彼女一人でも十分に曲の厚みを保つ力量はあります。
悪食娘コンチータ
さっきまでのMEIKOとは、全然違う調整だね!
highの成分が多くなっていて、lowはかなりカットした状態ね。
冷たく、無機質というか・・・冷酷さが出ているね。
刺さってくる曲に仕上がってるわね。
MEIKOの代表曲。「悪食娘コンチータ」
途中で、鏡音リン・レンのコーラスが入ります。
いかにMEIKOの調整を、highに振っているのかが分かりますよね。
そして、「番凩」からは全然違う声色であるために、これが意図的に行っている調整であることも分かります。
このように、表現できる幅が広いのです。
この調整バージョンのMEIKOは、好き嫌いが分かれると思います。
実は、私は苦手な調整です。機械音に聞こえて人間味がなくなっているからです。
これは、鏡音リン・レンのコーラスと比べると歴然です。彼らは人間の普通の歌っている状態にかなり近い調整になっています。
まぁ・・・これは意図的にMEIKOを冷たく、人間味をなくす表現とするために、わざとこの調整にしたんでしょうね。
かなりディープにボカロを聞いて、耳が慣れた方なら聞けると思います。
最初から、この曲にトライすると「ボカロって所詮、機械なのね。」という感想になってしまいます。
ここら辺は、個々の好みに任せるとして、この「悪食娘コンチータ」は大ヒットしたのです。
中世風の設定を持ち、かつストーリー性を歌詞に含ませるということが流行りました。
「悪ノ召使」などが代表例ですね。
最初は、ボカロは「ロボット」としての設定だったのが、「人間」としてストーリー性を持った歌詞を付けられるようになったのは面白い変化です。
最後に
今回は、年長組の曲が多かったわね。
やっぱり年長組の調整は至難の業だよ。
ちょっとしたパラメータの変更で大きく変わっちゃうからね。
初代のボカロが扱える人たちが、やっぱり真の”ボカロマスター”かもしれないわね。
それは言えると思う。でも今のボカロたちも魅力的だよ。
新しいユーザを取り込みながら、DTMの文化が広がっていくと良いわね!
じゃあ、今回はこんなところで!
adios!!
それ、俺のセリフ!!
まぁ・・・いいか。では、また来週。adios!!