こんにちは。Milkです。
私が初めてプロジェクトリーダー(PJ)を任された時、疲弊しきっていました。
あれは、確か私が入社して3年目の頃。
ある小さなプロジェクトのリーダーとして、お客様との打ち合わせから納品まで任せると上司から言われました。
私の反応としては・・・
失敗したらどうしよう・・・
というプレッシャーで押し潰されそうだったのです。
何しろ、同時並行的に大型プロジェクトの一員として作業をしていましたし、研修生(グループ会社の新入社員が一定期間研修に来る)の面倒を見ろと言われて、単純に考えると3つのPJに関わることになったからです。
しかも、任された案件は非常に小さなプロジェクトでありながらも、特殊な環境で作業を進めなければなりませんでした。
もがき続けた小型案件
大型案件は、既存の巨大なシステムのOSを入れ替えて検証するという、所謂「リプレイス」と呼ばれるものでした。
当初、私はこの大型案件の品質管理面を重点的に担う役割だったのです。
ここからスピンオフする形で、新しい機能を付け足して欲しいという要望がお客様から出てきました。
先輩が話しをある程度進めていたのですが、ある日、
先輩「ほい。これがお客さんと話した内容で、簡単な設計案だ。後は自分で進めてくれ。」
と言われてしまったのです。
PJリーダーなんてやったことないですし、ぽいっと渡された設計書もエクセルファイルに内容がシートに分割されて書かれているだけ。
内心・・・
(何がなにやら・・・一体何をすれば?
ってか。これ何?)
って状態。
プロジェクトマネージャー(PM)からは、「Milkには、俺の知り合いの協力会社を付けてやるから大丈夫だ。」と言われ、
(ほんとかなぁ・・・)
と思っていたのです。
チーム体制が激変
大型PJの方が工程遅延を起こし始めました。
本当の計画では、その大型PJの方で人員が余り、その人を私の方に回してくれるという約束だったのです。
しかし、これが不可能に。
え?! ど・・・どうしたらいいんですか?
PM「その協力会社は九州に支店がある。そこの人を回してもらうことにした。」
で・・・でも、一回も顔を合わせずに作業を進めるんですか?
PM「仕方ないだろ! 事情が事情なんだ!」
半ギレで怒られるし、私は心の中では泣きべそをかいていました。
取り敢えず、協力会社の九州支店に電話。
あ・・・あの。○○会社のMilkと申します。
話は届いていると思いますが、私の方がPJをすることになりましたので、宜しくお願いいたします。
Aさん「わざわざ、ありがとうございます。宜しくお願いいたします。」
今度は、お客様に電話。
あ・・・あの。○○会社のMilkと申します。
この度は、私の方がPJを担当させて頂くことになりました。
どうぞ宜しくお願いいたします。
お客様「あー。どうも、お電話ありがとうございます。どうぞこちらこそ宜しくお願いいたします。」
手がプルプルしながら電話をし、PJは開始したのでした。
誰も助けてくれない
これは実際、私も悪い点があったと思います。
問題が起きても、なかなか相談が出来なかったのです。
話をしても怒られるのは分かっていたので、どんどん報告は遅くなっていきました。
そもそも、荒々の状態の設計書は何を意図しているのかさっぱり意味が分からん。
先輩も大型PJのPJリーダーで忙しいので、なかなかちゃんと内容を聞くことが出来ず。
あー。うー。えー?
こ・・・こういうことかな? えいや!
と設計を始めたのです。
取り敢えず設計が終了し、それを先輩に見せます。
先輩「あ。うん。いいんじゃないか?」
終わり。
(よ・・・良かった・・・)
間違い。ここからして大間違い。
表面上は設計が上手く行っているように見えたのですが、根本的な部分で理解が違ったのです。
これは後々に発覚します。
次に、遠方の協力会社にこれを送信。
詳細な設計に入ってもらいました。
すると、次々に内容の問い合わせが電話で来まくる!
結局、私もソースコードを読むはめになり、私が詳細設計をやってるに近い状態に・・・
PJを運営する上で、会社内の手続きを進めないといけませんし、部長や課長に進捗の説明資料なども作成しなければなりません。
でも、人手が足りなくて、私は四苦八苦。
一日中、電話越しにプログラムとにらめっこして、
○○プログラムの✕✕行目は、△△の処理をしています。
なので、これをベースにした考え方で作ってもらえれば・・・
え?! その内容が分からない? ちょ・・・ちょっと待ってください。今から解析しますから・・・
こんな感じ。
社内会議資料は出来上がらないし、進捗報告は「オンスケ(オンスケジュール:工程遅延なし)」とのメール。
でも、どう考えてもオンスケなわけない。
電話で問い合わせてみたら、
Aさん「あの・・・僕も、入社して初めてこんな大きなプログラムを触ることになりまして、ちょっと分からないというか・・・」
やられた・・・
新人さんをあてがわれた!!
このプログラムを熟知した人間を回すとPMは言ってたのに!
PM「なんでこんなに工程遅延起こしてんだ!」
だって・・・素人が担当になりましたし・・・
PM「なんだって? 聞こえない!」
一度もこのプログラムを見たことない人間が担当するとか、聞いてないです!
話が違います!
PM「なに? この工程遅延は俺のせいだって言うのか!」
いや・・・そうじゃ・・・ないですけど・・・
この時には既に、多汗症が出ていて、心臓がバクバクするので、抗不安薬をもらったり漢方を飲んだりしてました。
後から聞いた話では、私があたふたしているのは分かっていたとのこと。
でも、「頼りに来る」というアクションを起こさないのでほっといた、らしいのです。
(裏ではバックアップ体制を整えてたとのこと。)
これは、今でも「私のチーム論」とは異なります。
常々言われ続けたこと。
それは、「ちゃんと管理しろ!」「メンバーの状態は把握しとけ!」「兵隊の言葉をそのまま信用するな!」
遂に潰れる
ある時から、ボーッとするようになりました。
考えたくても、上手く考えがまとまらないのです。
一旦正月休みに入りました。
正月の間、憂うつでした。
そして、決心したのです。
俺がPJリーダーを続けていたら出荷出来ない。
今のタイミングなら、PJリーダーを変更してもギリギリ回復が可能だ。
正月休みが明けて初日。
私は、PJリーダーを降ろして欲しいこと。
そして、責任は感じるので仕事を辞めるのも考えていると伝えました。
そこからPMは大慌て。
すぐさま、PJリーダーは交代しましたが、私の頭が全然働かないので、楽な仕事を任せるということに。
PMは私がどこまで行けるのかのギリギリを試したかったらしいのですが、ボッコリベッコリひしゃげた私に対し、「タイミングが遅すぎた・・・」と思ったそうな。
遅すぎというか、放置しすぎ。
ある意味では、一旦「うつ状態」に入ってました。
「管理」という言葉は止めなさい
それが一段落した後、私は大学の恩師に会うことになりました。
突然の私の訪問を歓迎してくれて、一緒に飲みに行くことに。
こうこう。こういうことがありまして…
教授「きっと、Milk君を早めに経験を積ませたかったんだよ。いつか経験はしなければならない。だからこそ君には早めに経験して欲しかったのだと思うよ?」
そうなんですか? 私には嫌がらせにしか感じなかったし、そもそも助けてもくれなかったんですよ?
教授「君は事業部長クラスの人間になる。私が断言する。私の目測が誤ったことはあるかい?」
そ…それはないですけど。でも、ちょっとオーバーですよ。私はチームを管理出来なかったし、メンバーの管理も出来なかったです。何一つ上手く行きませんでした。
教授「Milk君。『管理』という言葉は止めなさい。メンバーや協力会社の方々に失礼だ!絶対にその言葉は使ってはいけない。チームは仲間だ。決して『管理』するという上からの目線ではいけない。」
私はハッとしました。
自分の「制御下」に置く。「管理する」というスタンスで接してはいけない。
教授には、しっかりとしたバックボーンがありました。
過去にNTT研究所。そしてNTTデータと、それぞれの場所でPJを率いる立場にいた人物だったのです。
その言葉は私に今でも、心の奥で芯となっています。
最後に
あなたは何を感じるでしょうか。
この記事は、私のただの恨み節なのかもしれません。
でも、「人をまとめる」とは一体どういうことなのか。
チームを上手く回していくとはどういうことなのか。
それを、ふと思い出した次第です。
それでは、今回はこの辺で。
adios!!