以前、マイケル・シェンカーの記事を書きました。
今回は、その時読んでいただいた方の囁きにお応えして、シェンカーの兄者が結成したドイツの国民的HRバンド。
Scorpions を大特集!!
Scorpions
マイケル・シェンカーの兄、ルドルフ・シェンカーも当然ドイツ出身です。
このシェンカー一家は貧乏で、親は共働き。また兄のルドルフも一生懸命アルバイトに励んでおりました。
そんな家にひとりぼっちで残ったマイケル。
それを不憫に思ったルドルフは、彼にギターを与え、彼のコピーバンドで演奏する曲の練習をしてお家でおとなしく待っているようにと告げます。
マイケル少年のお友達はお兄さんがくれた大切なギター。
一生懸命に練習し、後にルドルフが結成したScorpionsというバンドで12歳の時、デビューを果たします。
という訳で、彼らは本当に仲良し兄弟。
ルドルフは確かにギターは上手いのですが、マイケル以上にはなれないと感じたのか、Scorpionsではセカンドギターとしてバッキングを担当します。
マイケルが加入しているときは、マイケルをリードギターとして据え、マイケルがUFOというイギリスバンドに引きぬかれた際には、ウリ・ジョン・ロートをリードギターに抜擢します。
ウリのギターサウンドは独特で、この時Scorpionsの人気はある程度確立されます。
その後、ウリはソロ活動をするということで脱退。その後任として、マティアス・ヤプスが加入します。
因みに、ルドルフ・シェンカーはマイケル・シェンカーと同様にFlying V の愛用者です。
また、マティアス・ヤプスはZ型の形をしたエクスプローラーというタイプのギターを愛用します。
マティアス・ヤプスの加入により、バンドサウンドはかなりマイルドなテイストになりました。
万人受けするタイプの曲が多くなったこともあり、遂にScorpionsは国民的バンドの地位を確固たるものとしたのです。
それでは、曲のご紹介。
Blackout
先ず、この曲は外せません。
アルバムタイトルにもなった「Blackout」が大ヒットとなり、ここからScorpionsは世界中に認知されることになります。
ルドルフは人を楽しませるのが大好きで、liveではこのアルバムジャケットの格好をして演奏したりします。
きっと寂しがりやのマイケルをいつも笑わせていたでしょう。
優しいお兄ちゃんです。
Rock You Like a Hurricane
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演する異例のライブ。
「Rock You Like a Hurricane」の原曲も確かに良いのですが、このオーケストラバージョンを一度聴くと戻れません。
また、クラウス・マイネというボーカルは初期からのメンバーですが、彼の特徴的な声がScorpionsを支えています。
決して派手ではありませんが、太くしっかりと、また音域も広いためロックもバラードも歌いこなすことが出来ます。
この曲では、彼の囁くような歌い方にメロメロです。
New Generation
王道の重厚なバッキングで始まり、バラード調に変化。
その後、またジャーマン・メタルをしっかりと感じさせるサビに入ります。
今で言うHRは、当時としてはHMとして分類されていました。(デスメタルやブラックメタル等がHMと定義されるのは、比較的最近なのです。)
HMの中で、ジャーマン・メタルと言う分類を作ってきたのは彼らの貢献が大きいでしょう。
ただギターを鳴らしまくってうるさいHMが多い中で、ジャーマン・メタルは美しいメロディを重視するHMです。
Virgin Killer
かなり初期の、ウリが所属していた頃の曲です。
このアルバムジャケットは物議をかもし、一部の地域では発禁になりました。(まぁ・・・当然ちゃ当然だなわな;)
本当にギターとベースとドラムとボーカル。それで勝負!!って感じです。
また、ウリのギターが良いんです。
確かに、後年の方がScorpionsのサウンドは安定しますが、個人的には初期のウリが所属していた頃の曲が好きです。
The Sails Of Charon
邦題は「カロンの渡守」です。つまりは、三途の河の案内人です。
入りからウリの怪しいギターが炸裂します。また、これが徐々に変化していきます。
前奏だけで、3段階の変化を行います。ウリの独創的なギターがないと、この曲は完成しません。
また最後も、怪しい余韻を残しつつ終わるのです。
Robot Man
イントロから直ぐに、「Robot Man」だ!!と分かる印象的なギターです。
ウリのギターはどちらかというと、マイケルのギターに近い感じがあります。
確かに、弾き方は異なるのですが、どちらも速弾きを重視するのではなく、あくまでメロディが優先です。
その官能的なメロディを演出するために速弾きをするというタイプです。
ですから、結構ボーカルに対し絡んでいくギターです。だって、ギターで彼らは歌ってるんですもん。
We'll Burn The Sky
で、ウリってどんな人?ってこんな人。ある界隈では仙人と呼ばれてます。(笑)
ソロ活動になってから、本当に変な格好になっちゃった。
未だに官能的なギターは健在。右にいるマティアスが肩身が狭そうです。
マティアスは本当に可哀想な人で、ウリが脱退するからということで採用されたのに、UFOで廃人になったマイケルが帰ってきたからと採用取り消しになります。
なのに、マイケルがMSGを結成していなくなると、やっぱり来て!ということで呼び戻されるんです。
お人好しだなぁ・・・でも、残念なことに、ウリにもマイケルにもセンス的に勝てない感じがするんですよね。
一生懸命なのにね。可哀想。
bolero
では、最後はこの曲でお別れしましょう。ボレロをScorpionsファミリーで演奏しています。
左から順に、ウリ・ジョン・ロート、マティアス・ヤプス、マイケル・シェンカー、タイソン・シェンカー(マイケルの息子)
そして、何故か倒立するルドルフ・シェンカー(笑)
お兄ちゃんはいつも楽しませてくれるんです。ほんとに優しいんだよ、この人。
廃人になったマイケルをずっと支え続けたのも彼ですしね。
Scorpions、MSG ともに精神的支柱、そして偉大なバンドリーダーであるルドルフ兄ちゃんなのでした。
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それでは、今回はここまで!
adios!!