Milkのメモ帳

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【MVNO】今さら聞けない格安SIMの仕組みを、こっそり教えちゃいます。


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先ほど、ちょっと興奮気味で更新した記事で連呼した”MVNO”

www.milkmemo.com

そもそもの話。MVNOって何なんだよ!!って言う方も多いのではないでしょうか。

安心して下さい。私も最近まで、そう思っていましたから(笑)

この謎の呪文について、少し一緒に見ていきましょう。


キャリアとメーカーの不思議な関係

皆さんは固定電話を持っていますか?

私は持っていません(爆)

まぁ・・・でも、実家とかにはあるでしょ?

その固定電話のメーカーって覚えてますか?

Panasonicとか、SHARPとか・・・色々あると思います。

それでは、電話回線はどこですか?

KDDIですか?それともNTT東?NTT西?

はたまた、地元の電力会社等が運営している回線でしょうか?

ここまでの話で言いたかったことは、固定電話と電話回線はどんな組み合わせでも良いということです。

電話回線会社のことを、通信キャリア(キャリア)と言ったりします。

携帯電話は好きに選べない?

しかし、携帯電話になるとどうでしょう。

auで買った携帯電話で、通信キャリアもau

docomoで買った携帯電話で、通信キャリアもdocomo

softbankで買った携帯電話で、通信キャリアもsoftbank

それが当たり前ですよね。
(少なくともSIMフリースマホ端末が誕生するまではそうでした。それについては後述します。)

でも、よくよく考えてみて下さい。

固定電話だったら、好きな電話の機種を選べたんですよ?

そして、電話回線の会社も好きに選べました。

でも、携帯電話だと自由に選べない。auで携帯を買って、docomoの電話回線を使うことは出来ません。

これって、理不尽じゃないですか?

これには大人の事情があったのです。

携帯電話事業は通信キャリアがお殿様だった

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これは、日本国内での話ですが、携帯電話事業はずっと通信キャリアがお殿様でした。

どういう意味でしょう。

各通信キャリアは、春モデル、夏モデル等々、携帯電話のお披露目式を行うことが永らく慣例でした。(今でもあるとは思いますが。)

つまりは、自分の会社にしかない携帯電話をお披露目して、一般の人に「あの携帯が欲しい!」と思ってもらい、一緒に電話回線を契約してもらうという戦略だったのです。

そのため、各通信キャリアは”自分だけ”の携帯電話を欲しがりました。

そのためにはどうするでしょう。

各電気メーカーに対して、自分たちの欲しい、また他の通信キャリアには無い機能を搭載した携帯電話を作ってもらう必要があります。

そして、だんだんと作ってもらうという関係ではなく、発注する側(つまり、こういう機能を持った携帯電話をつくれ!!と強制する)の関係に変化します。これは結果的に、各通信キャリアの事情を盛り込んだ、独自の携帯電話開発路線を走ることになりました。

これが、周りから揶揄された”ガラパゴス”という状態だったのです。国内の通信キャリアは当然ながら日本国内の普及を第一に考えますから、日本でしか通用しない携帯電話が量産されることになりました。

しかし、メーカーは通信キャリアの言いなりで良いと考えていました。

何故か?

それは、通信キャリアの言うことを聞いて開発すれば、もう既にその機種が採用されることは決定済みですから、販路を自分で開拓する必要性もないし、通信キャリアが勝手に販売してくれる。

そして、ある程度は販売数が読みやすくなり、売上の予測が立てやすいと考えたのです。

それに販売数が伸びなかった場合でも、通信キャリアが密接に絡んだ状態で開発を進める状況であるため、言い訳もしやすかったこともあります。

また、日本国内で開発できるメーカーは限られていますから、通信キャリアからの発注が失くなるなんてことは全く想像していませんでした。

そのため、通信キャリアをお殿様として、日本国内の携帯電話事業は、ガラパゴスな生態系を構築していたのでした。

生態系を破壊し尽くしたGoogleとApple

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その生態系が外来種の存在により、駆逐される日が突然到来しました。

その外来種とは、GoogleとAppleです。

彼らは、携帯電話ではなく、次世代の携帯電話であるスマートフォンを発表しました。

日本のメーカーは最初は馬鹿にしていました。(これは本当の話です。)

しかし、風向きが変わります。

スマートフォンが世界的に売れ始めると、通信キャリアはそれを販売したいと思い始めたのです。

メーカーはぬくぬくと通信キャリアとの蜜月な関係にありましたが、Androidとiphoneの販売に通信キャリアが急に動き出したため、完全に遅れをとることになりました。

GoogleとAppleは、グローバルで統一するという視点から譲歩しませんでした。

つまり、日本の通信キャリアが国内メーカーのように独自の機能を搭載するよう圧力をかけても、絶対にそれに乗ることはしなかったのです。

これは、通信キャリアが持っていた主導権を、メーカーが奪い取った瞬間でした。

Appleはiphoneという完成美を求めた形から譲歩せず、GoogleもAndroidを無償OSとして利用できるようにしたことで、新機能の搭載は世界中で必要とされる機能かどうかが判断基準でした。

通信キャリアは、世界を説得しなければならなくなったのです。ここに、通信キャリアを頂点とする生態系は、国内メーカーを含め、絶滅することになったのです。
(国内メーカーは携帯電話OSの主導権を握られた意味でも自由を奪われました。)

スマホと通信キャリアが分離された

長くなってしまいましたが、このような経緯を経て、スマホと通信キャリアは自由に選択できる時代が到来しました。

スマホが登場した初期の頃は、まだ通信キャリアが何とか自分たちの利権を保とうともがいた果てに、SIMロック等の姑息な手段に出た時代もありました。
(通信キャリアで購入したスマホは、その通信キャリアでないと使用できなくするというロック)

しかし、今はSIMロックフリースマホ端末を購入すれば、自由に通信キャリアを選択できます。

これが実現したことで、MVNOという新しい分野が発展することになったのです。

MVNOとは

MVNOとは、「Mobile Virtual Network Operator」の略称で、日本語では「仮想移動体通信事業者」と言います。

ちょっと難しいですね・・・

簡単に言うと、今の3大通信キャリア(au、docomo、softbank)の電話回線を間借りして、通信キャリアと同じ事業を展開する会社です。

このMVNOは、通信キャリアの電話回線を利用する代わりに、使用料を通信キャリアに支払っています。

ですが、必要最低限の機能にサービスを削ぎ落とすことでコストを削減し、格安で携帯電話回線を一般の人が利用できるようにしているのです。

航空事業で例えるとLCCのようなものです。

いろんなサービスが充実しているけれど高い航空会社を選ぶのか、必要最低限のサービスでいいから格安航空を選ぶのか。

そんなところです。

また、個人の電話番号などの情報を記憶しているカードがSIMと呼ばれるカードです。

これをスマホに差し込むことで、皆さんのひとつひとつのスマホを認識しているのです。

MVNOが売り出しているSIMが、所謂「格安SIM」と呼ばれているものです。

MVNOを利用するために

さて、MVNOには様々な通信キャリアが存在します。

例えば、

  • OCNモバイルONE
  • 楽天モバイル
  • IIJmio
  • BIGLOBE SIM
  • mineo
  • BIC SIM

など、まだたくさんあります。因みに私が使っているのは、FreetelというMVNOです。
(これは後に、楽天モバイルに買収されました。)

MVNOを利用するためには幾つか確認すべき点があります。

持っているスマホを利用する場合

先ず、必要なのは利用するスマホを用意することです。

用意したスマホによって、利用できるMVNOが決まってくるからです。

自分が今契約している通信キャリアはどこでしょうか?

au?

docomo?

softbank?

当然ながら、その購入したスマホは、その通信キャリアが使用している電話回線(周波数帯)をキャッチできるようになっています。

こればかりは仕方ありません。auのスマホでdocomoの周波数帯をキャッチは出来ません。
(時々例外として、複数のキャリアに対応出来るように、各キャリアが使用している周波数帯のアンテナを複数内蔵しているスマホもあります。)

ですから、今持っているスマホはどの通信キャリアから購入したかは確認して下さい。

これによって、利用できるMVNOは変わってきます。

例えば、docomoで買ったスマホをMVNOの通信キャリアで使いたい場合、docomoの電話回線を利用しているMVNOにしかお引越しは出来ません。

誤って、auの電話回線を利用しているMVNOにお引越しすると、スマホから買い直しになってしまいます;

新しくスマホを自分で用意する場合

自分でスマホを用意する場合は、SIMロックフリースマホを購入しましょう。

ほとんどはSIMロックされていないと思いますけど、念の為に確認しておく必要があります。

また、キャッチできる周波数帯も確認しましょう。

これは、スマホのスペック表に記載されていることがほとんどです。

その中で、通信方式を確認しましょう。

この通信方式や周波数帯(バンドと呼ばれたりする)が、契約するMVNOの利用している電話回線と合致することが大事です。

一つの分かりやすい方法としては、例えばdocomo回線を利用しているMVNOを使おうと思っている場合、docomo用に売られているスマホのスペック表で通信方式を確認します。そして、購入しようと思っているスマホにも同様のスペックが記載されていればOKです。

また、電気屋さんの店員に直接に聞くのもお薦めです。

スマホをMVNOの契約と同時に購入する場合

MVNO業者がスマホを販売している場合もあります。

この場合は一番安心ですね。そのMVNOの電話回線で使用できるスマホなのは確実ですから。

ただし、安いことを売りにしていますから、紹介してくれるスマホは格安スマホの部類であることは仕方ありません。

少々スペックは落ちます。

まぁ・・・しかしながら、ハイスペックの高いスマホを自分で購入して、格安のMVNOと契約しても、月々に割って計算すると大手通信キャリアと契約するのと差が出ませんから、MVNOを利用する際には、結果的に低いスペックのスマホになるでしょうね。

どうしてもハイエンドモデルが使いたい場合は、かなり型遅れ(数年前の型)で値崩れしたものを買って利用するとお得です。
(私はそうしたりしています。)


最後に

という訳で、今回はMVNOとは何かについて説明しました。

冒頭で説明した、「auで携帯を買って、docomoを通信キャリアにする」は厳密には実現出来ませんが、もっと通信キャリアを選択する幅が増えたことにはなりました。

そういう意味で、スマホの選択の自由、通信キャリアの選択の自由が実現したのです。

格安SIMなんて言われているのは、このMVNOを指しています。

また、MVNOは各社で特色があって、それだけで別の記事を書くほどの量になりますから、それはまた今度お話しますね。

あ。そうだ。

これだけは注意です。

MVNOには、「データ通信」と「データ通信 + 音声通話」という区分けがあります。

これは大事です。「データ通信」だけで契約すると、インターネットやメールしか出来ず、電話は出来ませんのでご注意下さい。

スマホで電話までしたいという方は、「データ通信 + 音声通話」のプランを必ず選びましょう!

では今回はここまで!

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